広報霧島 2013年9月号

広報霧島 2013年9月号 page 11/28

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広報霧島 2013年9月号

の姿がありました。環境の変化についていけず、1か月で亡くなりました。症状や環境によっては施設などに入れる選択肢もあります。しかし、周りの支援があれば住み慣れた地域で生活できる人もいます。もう二度と、あんな悲しい思いはしたくない。そのためには、認知症の人と家族を支える地域の力が重要だと思いました」周りの支援の必要性を感じた黒岩さんは、認知症の人や地域の人が集える場所を作ることが必要と話します。「認知症の人が明るく生活するために大切なことは、介護をする人が笑顔で接することです。そのためには、地域との関係性を築き、悩みを相談できる場所を作ることが必要。私たち事業所の職員もできる限り地域の行事などに参加しています。最近では、私たちの施設の行事に利用者と一緒に地域の方も参加してくれます。こうした小さなつながりが認知症の人と家族の心の支えになるんです」最期まで自分らしく認知症の人を支えるためには、その思いを知ることが大切だと考えた黒岩さんは、認知症の女性と交換日記をしたことがあります。そこで気付いたことは、認知症の人の苦しみでした。「“トイレに浮かんでいるものが何なのか理解できない。こんなものが私の中から出てきたのか。私はそんな汚い人間なのか…”日記に記された悲痛な文字に、記憶を少しずつ失っていくことがこんなに残酷でつらいものなのかと言葉を失いました。認知症の人は不安でいっぱいなんです。でも認められたり、欲求が満たされたりすると、本当にうれしそうな表情をします。認知症であっても“人”なんです。その人の思いを尊重し、家族や地域が寄り添っていけるような、そんな関係性を作っていくことが大切です」認知症の人でも、できることはあります。できないことだけに目をやるのではなく、できることにスポットを当てることで輝くことができます。黒岩さんは「その人らしく生きるためには、生かされるのではなく、自分で生ききっていく、そんな姿を支援できるような社会にしていきたい」と話します。今後、認知症の人がさらに増えることが予想されます。みんなの「ライフ(生命・生活・人生)」のために、あなたにも地域社会にもできることがあります。まずは認知症と向き合うことから始めてみませんか。誰もが最期まで自分らしく生きていくために―。地域サポートセンター「よいどこい」の利用者とそれを支える地域の方や福祉関係者平成25年度 心の健康を考える集い『地域が、人が、あなたが支える認知症』をテーマに、認知症になっても笑顔で暮らすためにできることについて考えます。? 日時=11月29日(金)午後1時?4時30分? 場所=国分シビックセンター多目的ホール? 内容=特別講演(講師:松下病院長 吉牟田直孝さん)、パネルディスカッション、声楽アンサンブル『カプリス』による演奏など? 定員=300人(どなたでも参加できます)※ 申し込みなどについては、問い合わせください。問=鹿児島県精神保健福祉協議会?099(218)4755~最期まで自分らしく~11 Kirishima City Public Relations, 2013.9, Japan