広報霧島 2013年9月号

広報霧島 2013年9月号 page 27/28

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広報霧島 2013年9月号

〈随ずいそう想〉をいろいろ教えてくださる方もいますが、今は人口も減少し、店も減っていることを伝えると少し悲しそうな顔をされ、同時に私も寂しくなってしまいます。今は亡き私の祖父も、認知症でした。地元の活性化のために経営していた三さん州しゅう平だいら(ドライブイン)で祖母と一緒に一生懸命働いていたことを覚えています。仕事だけではなく、いろいろな人たちと協力して、地域おこしにも頑張っていました。 そんな祖父の思いがこもった店も今はなく、たまに、店のあった場所を車で通ると、祖父は必ず車窓からそこを眺めていました。祖父にとって自慢だった場所は、草が生い茂り、その風景を見ると寂しそうにしていたのを今でも思い出します。昔の福山のまち並みや風景のことを、仕事のときに利用者の方からよく聞きます。利用者の方が故郷の話をするときは表情も明るく会話も弾みます。故郷の話は私と利用者の方が共通して話せる話題でもあります。認知症がある方でも、昔のことを覚えている方が多く、いろいろな話を聞くのが楽しみです。私は、利用者の方の笑顔や会話をしている瞬間が大好きです。だからこそ昔の思い出の場所を少しでも残したいと思うのです。霧島市には福山の花文字や城山公園、温泉街など、素晴らしい風景や観光地がたくさんあります。昔のまち並みや活気が少しでも戻り、「昔こProfileはまだ さやか(25)加治木女子高等学校(現龍桜高校)医療福祉科卒業。現在、牧之原むつみ園で介護福祉士として働く。趣味で習字を学んでおり目標の資格取得(教授免許)を目指し勉強中。福山町在住。思い出を受け継いで◎濵田 さやか私は現在、福山町にある「牧之原むつみ園」で介護福祉士として働いています。そのため、施設の利用者の方から昔の思い出話を聞く機会が多くあります。しかし、思い出話に出てくる場所は次第に少なくなくなり、まち並みなども昔と比べ大きく変わってきたようです。施設には認知症の方も入所されており、「今の福山町は人が多くて店もいっぱいで栄えて活気があるね」と話をされたことがありました。それが今の福山町なんだと言われたら「そうなんですね」と否定はせず内容をお聞きするようにしています。でも時々、まちが栄えていた時代を思い出され、その当時の商店街や自然溢れる素晴らしい風景があったことこに来たなぁ」と思い出すことができる場所や先輩方が作り上げてきた景色、場所を少しでも多く残してほしいと思います。私が知らなかったことなど、数え切れないほどたくさんのことを教えてくださった人生の先輩方に心から感謝しています。故郷への思いを大切に受け継ぎ、その魅力を残していけるように私も行動していきたいと思います。これからも、霧島市がもっと活気や笑顔の溢れるまちになりますように。三州平(ドライブイン)の上にある福山の花文字27 Kirishima City Public Relations, 2013.9, Japan