広報霧島 2013年9月号

広報霧島 2013年9月号 page 4/28

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広報霧島 2013年9月号

まずは、認知症がどんな病気で、どのように接すればいいのかを知ることが大切です。認知症について隼人町にある松下病院の医師、野田隆りゅう峰ほうさんに話を聞きました。認知症を理解する認知症は、脳のう梗こう塞そくや神経細胞のアルツハイマー変性など、さまざまな原因で脳の知的働きが低下した状態のことをいいます。高齢になるほど発症率が高くなり、最近では若くで発症する人や、記憶障害だけが強く、自覚がある軽度の認知症の人も増えています。認知症になると、記憶障害や時間・場所・人物が分からなくなる見けん当とう識しき障害、できていたことができなくなる実行機能障害、言葉が言えなくなる失語、それが何か分からなくなる失認、目的の行動ができなくなる失行などの中核症状が現れ、周囲の関わり方次第で徘徊、暴力、妄想、幻覚、不安、無気力などの周辺症状が出現します。今のところほとんどの症状を完全に治すことはできません。早期発見と予防認知症は、早期発見・早期治療で進行を遅らせることができます。しかし、認知症と判断しづらいケースもあります。それが老化による記憶障害。症状の大きな違いは、老化は行動の内容の一部、認知症は行動そのものを忘れてしまいます。例えば買い物に行って買ってきた物の一部を忘れてしまうのは老化、買い物に行ってきたことを思い出せないのが認知症です。日常生活面で多い症状は、同じことを何度も聞いたり言ったりする、大事な約束を忘れたりするなどです。日ごろの行動に変化を感じたら、早めに専門の病院などに相談してください。予防法としては、生活習慣病対策や固い物などを食べて噛むことを心掛ける、笑顔のある暮らしをする、ウオーキングなどの有酸素運動をする、家庭でも社会でも小さなことでいいから役医療法人仁心会松下病院(認知症疾患医療センター)医師 野田隆りゅう峰ほうさん(鹿児島国際大学福祉社会学部教授)専門家が教える認知症とは割を持つ、生活リズムを作るなどに気を付けることが大事で、これは症状を緩和することにも効果があります。これまで多くの患者を見てきて気付くのは、地域との関わりがあまりなく、家に閉じこもった高齢者が認知症になるケースが高く、進行も早いです。認知症で大切なのは地域の方々の理解と連携。当事者や家族だけではなく、医療や福祉、行政、地域が一緒になって見守ることが認知症の抑制、緩和、予防につながると思います。同じことを何度も聞いたり、言ったりする。大事な約束を忘れる。よく鍋を焦がすようになる。置き忘れやしまい忘れが目立つ。同じ献立の料理が続く・同じ服を毎日着る・同じ物を何度も買う。物の名前が出てこなくなる。今日の日付が分からなくなる。いつも大きなお札で買い物をする。手順どおりの作業や同時に2つのことができなくなる。他人との交流が極端に減少する。日課だったことや興味があったことをしなくなる。物取られ妄想的な言動がみられる。些さ細さいなことで怒りっぽくなったり、夜中に急に騒ぎ出したりする。早期発見のポイント?日常生活面の障害?※ 1つでもあったら、病院や包括支援センターなどの専門機関に相談してみましょう。広報きりしま 4