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概要

広報霧島 2014年1月号

平成24年3月3日、霧島市に本社があり、現在173人のパイロットがいる日本エアコミューター(JAC)に初の女性パイロットが誕生しました。濱田江梨さん(31)、仙台市出身。「空はいつも違う表情を見せてくれるんです」。飛んでいるときの話をする彼女は、いつもうれしそうな表情を浮かべます。日本航空グループ全体でもパイロット約2400人中、女性は14人。その一人となった濱田さんの経歴は異色で、目指していた職業は水族館の飼育員。大学は沖縄の琉球大学海洋自然科学科に進学しました。しかし大学2年のとき、肺に穴が開く病気「気き胸きょう」を患い、それが原因で夢を諦めないといけなくなり、将来を模索する日々が続きました。そんなとき飛行機の中で読んだ機内誌にパイロット募集の記事が。もともと飛行機から見る景色が好きだった濱田さんがパイロットという職業を初めて意識した瞬間でした。「一番前であの景色を見たい」その思いは日に日に高まり、パイロットになることを決意します。しかし、その道は険しいものでした。航空大学校に入学できる年齢制限は25歳。大学卒業だと2回しかチャンスがなく、しかも、試験は卒業からわずか3か月後。準備が足りず1回目の試験は不合格でした。残るチャンスは1回。大きなプレッシャーがのしかかる彼女を支えたのは家族でした。「いつの間にか目標が変わっていたことで父は最初、納得してくれませんでしたが、私の強い決意を知ると“最後なんだから帰ってきてしっかり勉強しなさい”と励ましてくれました。家族みんなの支えのおかげで頑張ることができました」実家に帰り必死に勉強し、2回目で見事合格しましたが、それはスタートにすぎませんでした。最初の4か月濱田江梨さん(31)宮城県仙台市出身、JAC初の女性パイロット。小・中・高とバスケット部、中学時代はキャプテンとして活躍。操縦する機体はQ400。「コックピットにいる私に気付いたら手を振ってください」と言う。広報きりしま 12s l o w l i f e