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概要

広報霧島2014年6月号

〈随ずいそう想〉もあります。降った雨は、山林に染み込み、やがてそれが貴重な水源を生み出してくれるからです。私は溝辺町に生まれ育ち42年になりますが、生まれて間もなく新鹿児島空港が開港し、小さいころから飛行機が青空に飛び立つ姿に憧れてきました。自宅の庭で親に抱きかかえられながら飛行機に手を振ったり、朝から夕方まで飽きることなく飛行機を見続けたりしたことを憶えています。そんな私もおかげさまで現在は、鹿児島空港で働かせていただいておりますが、私を育んでくれた水、そして鹿児島空港や溝辺地区ほぼ全域を支えている水は、実は豊富な湧き水であるということを知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。空港から車で20分。溝辺町と姶良市の堺に貫かん水すい(竹山水源)というところがありますが、そこにこんこんと湧き出る水があり、ポンプアップして各地に配られています。空港が開港する前の溝辺地区は豊富な河川もなく、生活用水は井戸によるものがほとんどだったと聞きます。地形的にも台地にあることから生活用水の確保にはかなり苦労があり、やむなく水を求めて谷間に居を築いて、集落が形成されていったということでした。そんな状況から一変したのは、新鹿児島空港の建設地が現在の場所に決まり、昭和43(1968)年の新鹿児島空港建設協議が具体化されていく中、大勢の人が利用するための水源を新たに確保する必要がでたからだったようです。昭和47年4月に鹿児島空港が開港して2回の変更を経て、現在の水源利用に至っているのですが、空港が開港したおかげで、溝辺地区ほぼ全域の生活用水はもとより、十三塚原台地でもともと盛んだった農業に対する灌かん漑がい用水の対策も行われ、商業施設も増えていきました。鹿児島空港でも年間に約13 万立方㍍の水が使われていますが、豊富な湧水量のおかげで、私も含め安心して利用させていただいています。溝辺といえばやっぱり「お茶」。飛行機で来られた方から「上空から見ると、鹿児島空港近辺は緑色のじゅうたんが敷かれているみたいだ」とProfile溝辺の『水』に感謝◎有村 和久今年の夏は、雨や曇りの日が多く、気温も平年並みか低くなると予想されています。梅雨の長雨はジトジトとして気分的にも嫌になりますが、一方で、雨は「水」という生命に欠かせないものを自然にもたらしてくれる天然資源で聞いたことがあるくらいお茶の生産は盛んですが、それ以外にもブドウやナシ、イチゴ、野菜、畜産など県下でも有名な農畜産物の産地です。昔、水に苦労した方々の手によって今日に至るまで何不自由なく水を利用していることに感謝しながら、私たちの子ども世代、またその先まで竹山水源の大切さを伝えていけたら、と思っています。会社の机で毎日資料に囲まれながら、時々霧島茶で一服し、今年の夏もおいしいブドウやナシを食べられることを想像している今日この頃です。有村さんが設置に携わった鹿児島空港1階にある霧島市PRブースでは、霧島茶を無料で飲むことができますありむら かずひさ(42)地元の大学を卒業後、鹿児島空港ビルディングへ入社。国内空港初の天然温泉足湯「おやっとさぁ」や観光・特産品情報コーナーの設置などにも携わった。現在は総務部総務課に所属。趣味はスポーツ全般で、特に最近は子どもが所属するバレーボール少年団の応援に熱が入っている。溝辺町在住。27 Kirishima City Public Relations, 2014.6, Japan