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概要

広報霧島2014年7月号

〈作り方〉① 鍋に水を入れ、わらび粉を少しずつ加えながらかき混ぜる。(白濁した液体になる)② 中火にかけ、混ぜながらふつふつしてきたら弱火にして、小さな塊ができはじめたら、全体的に粘り気が出てくるまで混ぜ続ける。③ 透明になったら火を止め、氷水の中にスプーンですくって落とす。④ 氷水の中で5~ 10分ほど冷やしてざるに上げ、水気を切る。⑤ きな粉をかける。(黒蜜をかけてもおいしい)※冷蔵庫などで保管すると、白く変色し、食感も悪くなるので、食べきる分だけ作るのがポイント。〈材 料〉(2人前)わらび粉100㌘水200ccきな粉(三温糖は好みで、塩をひとつまみ)牧園町宿窪田の春田ミエさん(70)の家では、毎年手作りの「わらび餅」が夏の訪れを告げます。春田さんは9人兄弟の三女として生まれ、大阪市で育ちました。幼少期は終戦後の貧しい時代で、一家は食べることに精いっぱいの生活。特に甘いものは年に数回しか口にできないごちそうでした。その中でとりわけ楽しみにしていたのが、きな粉のかかった「わらび餅」。夏になると料理上手な母のキクヱさんがわらび粉から手作りしてくれました。甘いといっても、少しだけ三温糖が入ったきな粉は、普段食べられるものと比べてほのかな甘さ。当時砂糖は貴重品ということもありましたが、虫歯で歯医者にかからないようにと、家計とわが子の健康を気遣った母の愛が詰まった味でした。「少ないわらび餅を、兄弟でうれしそうに分け合う私たちを見て、いつも母は優しくほほ笑んでいました。今も口いっぱいに広がる甘さと母の笑顔が忘れられません」その後、春田さんは大阪で結婚。出産を経て、夫・良彦さんの転職を機に夫の故郷の牧園町へ引っ越してきました。小学生のころから母の背中を見て料理を覚えた春田さん。砂糖が簡単に手に入る今も、自ら作るわらび餅は母と一緒でほのかに甘い味がします。「わらび餅は私と母を結ぶ絆のようなもの。遠く離れてもわらび餅を作るたびに母が近くにいるように感じられました。母はもう亡くなりましたが、その気持ちは今も変わりません」ほのかに甘い春田家のわらび餅。隼人町に住む二人の娘も、春田さんから作り方を教わり、その味を受け継いでいます。大家族の健康と笑顔を支えたキクヱさんとの絆の味は、次の世代へ受け継がれ、新たな絆を作っていきます。◎牧園町宿窪田ほのかな甘さは母の愛「わらび餅」思い出の味を募集しています。住所、氏名、年齢、電話番号を記入の上、あなたの心に残る、食べたらなぜか元気になる味をエピソードとともにお寄せください。採用された方には後日連絡の上、取材させていただきます。(宛先)〒899?4394 国分中央三丁目45番1号 秘書広報課「思い出の味」係なぜか元気になるTaste of memoriesわらび餅春田ミエさん(70)広報きりしま 14slow food & cooperation