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概要

広報霧島2014年8月号

0匹、引き取った数は66匹に上ります。迷い犬は飼い犬が離れてしまったものがほとんどですが、中には故意に捨てられたと思われる犬もいます。引き取り依頼に来る方の理由は「自分が高齢で大変だからもう飼えない」「入院することになった」「引っ越し先がペット不可」「子どもにアレルギーが出た」などさまざま。しかし「どれも命を放棄する理由には値しない」と姶良保健所衛生・環境課の谷口昨さく字じ課長は言います。県動物愛護センター非常勤獣医師井村寛子さん(48)犬の病気というと「狂犬病」を思い浮かべる人は多いと思います。日本では昭和31年以降発生していませんが、発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気で、世界的に見ると毎年数万人がこの病気で亡くなっていると言われています。日本と同じく50年以上狂犬病の発生がなかった台湾で昨年狂犬病が発生していることからも、年1回の狂犬病予防注射は必ず受けさせるようにしましょう。ほかにも愛犬が健康で長生きできるように、犬同士の感染症を防ぐ混合ワクチンやフィラリアの予防薬、ノミやダニの駆除剤などを定期的に与える必要があります。特に、近年ではマダニからのウィルス感染で人が重症熱性血小板減少症候群という病気にかかることも報告されています。日ごろから良く愛犬の体調を観察し、何かあったときにすぐ相談できる“かかりつけ獣医師”を持つことが大切です。避妊・去勢手術には不幸な命を増やさないという理由のほかに、前立腺肥大、乳腺腫瘍や子宮蓄膿症などの病気を予防するというメリットもあります。「中には軽い気持ちで引き取り依頼に来る方もいます。ここで引き取るということは愛犬が殺処分される可能性が高いということを説明し、何とか最期まで面倒を見られないか、親戚や友人に引き取ってくれる方はいないかと説得を試みます。しかし応じる人はごくわずかです」毎週1回、消えゆく命姶良保健所で捕獲や引き取られた犬は、姶良動物管理所(旧牧之原畜犬管理センター)へ送られます。狂犬病予防法では保護期間を2日間と定めていますが、鹿児島県ではできるだけ動物に生きるチャンスを与えたいと最低1週間は保護します。その後、獣医師による適正診断を受け、譲渡可能と診断された犬は県動物愛護センター(隼人町小田)へ。人をかむなど凶暴な犬、譲渡先が見つかるまで育てることが難しい生後間もない子犬などは殺処分対象となり、週に一度、動物管理所内の処分機へ送られます。減り続ける殺処分数の実態10年前と比べると、殺処分の数は減少しています。しかし、これは当時まだ野犬が多くいたことが要因の一つと考えられています。裏を返せば、野犬がほとんどいない現在、殺されている犬の多くは人間が関わった犬。犬の捕獲や引き取りを担当する保健所職員、殺処分する動物管理所職員らは口をそろえて言います。「私たちの仕事がなくなる未来がきてほしい」と。姶良動物管理所の犬舎で行き先が決まるのを待つ犬たち愛犬にかかりつけ獣医師を01INTERVIEW元の飼い主保健所動物管理所動物愛護センター殺処分元の飼い主へ返還新たな飼い主への譲渡譲渡の可能性を判断?迷い犬?飼えなくなった犬や猫3 Kirishima City Public Relations, 2014.8, Japan