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概要

広報霧島 2013年12月号

原口敬子さん(27)和紙デザイナー。隼人中、加治木高校、鹿児島県立短大を卒業後、単身デンマークへ。帰国後、和紙を使った作品づくりに取り組む。小さいころから物づくりが好き。現在は、デンマークの病院から依頼を受け、デンマークの童話「みにくいアヒルの子」のイラストをあしらった作品を制作中。自然の物で作られ、一枚一枚表情が違う和紙の魅力にどんどんはまっていきました。初めて手すきの和紙に明かりをともしたとき、デンマークの温かい光と重なって感動したことを今でも覚えています」と原口さんはほほ笑みます。和紙作品を作り始めて4年。初めのころは、納得いく作品ができずに試行錯誤の日々だったといいます。注文を受けても、相手の意に沿わず全部作り直したことも。それでも種子田さんの下で勉強を続け、今年5月には鹿児島市に工房とギャラリーを開設。色を付けた繊維を和紙に流し込んで作った照明やイラストなどの作品制作に取り組んでいます。「和紙には無限の可能性があります。伝統を感じさせるもの、ポップなもの、平面、立体、小物から壁一面の大作品までさまざまな表情を見せてくれます。日本はもちろん、世界中に和紙の魅力を伝えたい」と意欲を燃やす原口さん。これまで公民館講座や子どもたちの体験教室で講師を務めるなど地道な活動も続けています。「私がデンマークで温かい光に助けられたように、いつか自分の作品が誰かを幸せにすることができたらうれしいですね。使う人のことを思いながら、これからも作り続けます」「人や流行に流されず、それでも柔軟でありたい」と話す原口さん。伝統の重みと、それにとらわれない多彩な表情を持つ和紙。一本芯が通っているからこそ、さまざまな表情が美しく映る。伝統文化を守り、そこに新しい風を取り入れる原口さんの生き方は、どこか和紙に似ています。THE SCENE Vol.95霧島に生きる※1 ユネスコの事業の一つで、伝統的な工芸技術や文化、芸能など無形のものの保護と継承を目的としたもの。※2 手すき和紙の道具。原料をすくい、縦横に揺すり繊維をからませることで紙を作っていく。ギャラリーには和紙を使った照明などの作品がずらり。温かい癒やしの空間に和紙工房&ギャラリー「K washi design lab.」鹿児島市鴨池1-12-20 毎月第3金・土・日、10:00 ~ 17:00 ?090(8915)6846? ?25 Kirishima City Public Relations, 2014.12, Japan