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概要

広報霧島 2013年12月号

地元の学校として特攻の記憶を残さないといけないと思いました。いろいろ調べましたが、あまり資料などがなく、この特集は参考になりました。今でも平和学習のときに活用しています」と話します。平和学習を受けるのは2年生。戦争体験者に話を聞いたり、戦争遺跡を見に行ったりします。学んだことは、文化帰れない片道飛行と知りながら飛び立っていきました。しかし、そのことを知らない方が多くいました。そこで戦後65年を迎えた平成22年の8月号で特攻の特集を組みました。タイトルは「平和への道しるべ」。生き残った特攻隊員や遺族の方の思いなど、戦争体験者の生の声を基に、このまちにあった特攻の真実を振り返りました。地元での平和学習が地域の人の心を動かす特集には多くの反響がありました。中でも、溝辺町の陵南中学校では、地元での平和学習が始まりました。それまで1時間半かけて知覧特攻平和会館まで行っていた同中。しかし広報誌で地元に特攻基地があったことを当時の担任教諭が知り、地元で学習をするようになりました。平和学習の担当をしていた内村加代子教諭は「私も溝辺に特攻基地があったことを知りませんでした。生徒に聞いてもほとんど知らない状況。祭で劇にして発表。先月行われた文化祭では、生徒や保護者の見守る中、若き特攻隊員になりきった生徒の迫真の演技に、涙ぐむ人もいました。戦争体験者として生徒に平和の大切さを訴える溝辺町竹たか子ぜの延のぶ時とき力蔵さん(87)は、この学習の大切さを訴えます。「私は昭和19年、17歳のとき整備士として鹿屋の特攻基地に行きました。ほとんどの戦闘機が戦いを繰り返してきて穴だらけ。それを修理し、片道分の燃料を積んで、隊員たちは飛び立っていきました。機体には途中で落下させない陵南中学校2年末原 翔しょう磨ま君(14)陵南中学校内村加代子教諭(45)延時力蔵さん(87)溝辺町竹子在住I N T E R V I E W特攻隊のこと、特攻基地があったことを、平和学習で初めて知りました。戦争体験者の方の話には、教科書では教わらない事実があり、戦争の怖さを痛感しました。文化祭の劇で、私は特攻隊員の役を演じました。自分とあまり変わらない年の人たちが、爆弾を積んで飛び立って行った現実に言葉を失います。平和の大切さを強く感じました。ようにワイヤーでぐるぐる巻きにされた爆弾をつけて。戦争の悲惨さや怖さは体験した人がよく知っています。中学生が話を聞きたいと言ってくれた時はうれしかった。伝えていく重要性を感じました」一つの特集がきっかけで始まった地元での平和学習は、地域の人の心にも刺激を与えています。平成22年8月号特集広報きりしま200号記念特集Public relations KirishimaNo.200 Memorial feature7 Kirishima City Public Relations, 2014.12, Japan