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概要

広報霧島 2015年1月号

昔から“飲む点滴”って言われるくらい栄養があってね、寒くなると家族みんなで飲んだものです」。立ち上る湯気を懐かしそうに眺める三宅ムツ子さん(69)。手にした器を白くて甘い思い出の味が満たしています。「子どものころ、収穫を祝う秋祭りの季節になると、両親や祖父母がきねと臼で餅をついて、甘酒を作ったものです。甘いものが少ない時代で、最高のおやつ。とろとろの食感と甘さが大好きでした。つぼの中に保存した甘酒の原液をこっそり舐めるのも楽しみの一つでしたね」と懐かしそうに笑います。料理上手な母に育てられた三宅さんですが、独身時代は料理に興味がなかったといいます。いざ結婚して料理をするようになったとき、役に立ったのは“母のレシピ”ではなく、“母から受け継いだ好奇心”でした。「母は好奇心旺盛で何でも挑戦する人。食卓にはいつもいろんな料理が並びました。私も家族ができてから料理に夢中になり、おいしい物を食べたり話を聞いたりすると、本を読んで研究したり、教えてもらいに行ったり、何でも挑戦するようになりました」甘酒レシピも知人に教わったもの。「昔ながらの作り方は手間暇がかかってなかなか作れませんでした。簡単な作り方ですが、思いと栄養たっぷりなのは、母の味と同じです」子どもたちも成長し、今では夫・照秋さんと二人暮らし。健康に気を使い、料理やパン作りにも砂糖の代わりに甘酒を使います。「糖分が抑えられるし、体にもいい、風味も増す。私にとって甘酒は家族を思いやる味。お正月には家族そろって食卓を囲み、甘酒でほっこりしたいですね」甘い香りとゆらゆら上る湯気の向こうには、いつも大切な人がいます。◎溝辺町崎森白くて甘い思い出の味“甘酒”なぜか元気になるTaste of memories三宅ムツ子さん(69)〈作り方〉 ① 米を洗い、水に浸す。② 通常の2倍程度の水を入れ、炊飯器で柔らかめに米をたく(お粥状に)。③ 炊飯器のスイッチを切り、70℃に冷ます。④ 麹と40℃の湯を入れ、麺棒で米の粒が消えるまでつく。⑤ 炊飯器のふたは開けたまま布巾をかぶせる。⑥ 保温スイッチを入れたり、切ったりして常に60℃を保ち、1時間おきに麺棒で軽くつき、混ぜる。⑦ ⑥を5回ほど繰り返し、とろみと甘みが出てきたら出来上がり。〈材 料〉 米2合、麹200g、水適量、40℃の湯200cc甘 酒※ 飲むときは小鍋に移し、水を加えて煮立たせる。お好みでショウガを入れるとおいしくて、体も温まる。※ この作り方ならアルコールが入っていないので、子どもでも飲めます。FMきりしま(周波数:76.9)で、この「思い出の味」を鹿児島弁で紹介します。?放送日時=1月22日(木)午後3時30分~、(再放送)1月23日(金)午前10時30分~?コーナー名=「Junjunと堀ちゃんのかごっま弁で語いもんそぉ」広報きりしま 10slow food & information