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概要

広報霧島 2015年1月号

なりたい”とやる気が起きました。何より、“観客や一緒に演奏する仲間が笑顔になれるような演奏をしよう”と声を掛けられ、肩の力が抜けました。おかげで演奏は成功。観客や舞台全員の笑顔を見て、自分以外の誰かのために頑張ることの素晴らしさを学び、もっと音楽で人々を笑顔にしたいと思いました」そのころ、豪雨災害の現場で危険をかえりみず人命救助にあたる自衛官の姿を報じるニュースを目にした宮原さん。自衛隊音楽部との共演以来、自衛官の人柄と音楽部への憧れが強く残っていたこともあり「自衛官になって、誰かの力になりたい」と思うようになりました。突然自衛官になりたいと打ち明けられた両親は、命の危険や厳しい訓練、女性というハンディなどを心配します。しかし、彼女の真剣な思いを聞き、「やれるだけやってみなさい」と背中を押してくれました。厳しい試験に合格し、晴れて自衛官になった宮原さん。憧れの音楽部に入ったものの、現実は体力的・精神的にも予想以上に厳しいものでした。女性としての特別扱いはなく、毎朝日課の10㌔のランニングなど男性隊員と同じ訓練を行います。実戦を想定した野外演習では何日も入浴できず、トイレも不自由など、女性ならではの悩みもありました。さらに、音楽部員として楽器の練習も欠かせません。管楽器は感覚を養い続けることが大事で、多忙な課業の合間に自主練習を続けます。それでも頑張れるのは「演奏を聴いてくださる方々の笑顔があるから。家族やつらいときに相談できる心強い仲間、頼もしい先輩の存在も大きな支えになっています」とほほ笑みます。そんな宮原さんの夢は、彼女が初めて自衛官の音楽部と共演したときのように、誰かに夢を与え、笑顔にできる頼もしい自衛官になること。「大好きな音楽でそれを叶えられるよう、これからも頑張ります」と目を輝かせました。時折あどけない表情を見せる彼女の管トロンボーンは、これからも多くの人々の心に響き、大きな力を与えてくれます。桜星輝く演奏帽に折り目正しい濃緑色の演奏服。金色の光を放つトロンボーンを手にするのは、陸上自衛隊国分駐屯地第12普通科連隊重じゅう迫はく撃げき砲ほう中ちゅう隊たいの通信手で、陸士長の宮原光ひか彩りさん(21)。同連隊の音楽部にも所属する彼女は、約1100人いる同駐屯地自衛官のうち、約30人しかいない女性自衛官の一人です。宮原さんは中学生のころ、部活動紹介で吹奏楽部のアンサンブルに心を奪われ、音楽に目覚めます。そのとき初めて手にした楽器が、長いスライド管が個性的なトロンボーン。スライドを操作する動きがかっこよくて、すぐに夢中になりました。高校に進学しても吹奏楽部に入部。部長となった高校2年のとき、人生の転機が訪れます。それは、毎年学生と陸上自衛隊国分駐屯地の音楽部が共演する「市民と自衛隊のつどい」への出演。部長として“成功させなきゃ”という重圧につぶされそうだった宮原さんを勇気づけてくれたのが音楽部の自衛官でした。「皆さんの高い技術に圧倒され“自分もああ誰たがために“管”は鳴る迷彩の戦闘服で通信手としての訓練にあたる宮原さん。実戦での通信手は部隊間の連絡など情報戦が主流となる現代では重要な任務。重い機材を背負って道なき道を40㌔以上歩くことも平成24年2月の「市民と自衛隊のつどい」で、高校生と共演する自衛官の宮原さん(後列右から3番目)手で伸ばしたスライドの長さと口の形で音程を操るトロンボーン宮原さんら音楽部が、街頭パレードで演奏します。◎建国記念日祝賀行事 ?日時=2月11日(水、建国記念の日)午前10時~ 11時30分 ?場所=国分シビックセンター周辺※詳しくはP17をご覧ください。13 Kirishima City Public Relations, 2015.1, Japan