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概要

広報霧島 2015年3月号

霧島永水の島田さん宅に咲くキリシマツツジ赤な花を胸に情熱の色だ」。一目見た瞬間に心まで奪われる赤。見る者を魅了するその花を目にしたときの衝撃が忘れられないと話すのは、霧島連山稀少植物保全調査会会長の池田靖やすしさん(83)です。元霧島市議会議員の池田さんは、平成21年7月に空港所在都市の視察として、石川県の能の登と半島を訪れます。そこで知ったのが「のとキリシマツツジ」の存在でした。花の時期は過ぎており見ることはできませんでしたが、霧島が原産地であること、能登地方の人に愛されていることを知り、驚いたといいます。「初耳でした。周りの人に聞いても誰も“キリシマツツジ”を知りません。能登地方ではこんなに大切にされているのに。このままではいけないと思いました」翌年3月、東京で開催された、のとキリシマツツジのイベントに参加し、実物と初対面。その鮮やかな赤は、池田さんの胸に情熱の灯ひをともします。すぐに実態を調査するため、霧島山に詳しい人たちに呼び掛け、調査会を設立。本格的な活動が始まりました。ツツジといえば、公園や民家の庭などに高さ50㌢ほどに整えられたピンクや白の花、もしくは山肌を彩るミヤマキリシマを思い浮かべる人がほとんどかもしれません。対して、のとキリシマツツジは、高さが5㍍に達するものや左右に大きく枝を伸ばすものも。調査会のメンバーは、古い文献を読み、霧島山に調査に出掛け、地道な研究を続けました。見えてきたのは、霧島原産のキリシマツツジが観賞用に品種改良され、江戸で大流行し、能登地方にも伝わったこと。霧島では、植物学者の牧野富太郎博士によって命名されたミヤマキリシマが人気を博し、キリシマツツジの存在が薄れていったこと。現在も霧島山や霧島市周辺の民家など、約30か所に残っていること。全国キリシマツツジサミットin霧島開催 4/18?THE SCENE Vol.98霧島に生きる広報きりしま 16s l o w l i f e