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概要

広報霧島 2015年5月号

なぜか元気になるTaste of memories高菜の収穫時期になると母の〝康やす子こ〟と呼ぶ声が聞こえてくるんです」と懐かしそうに話すのは、霧島大窪の谷山康子さん(57)。子どものころ、両親が農作業に行くとき母・シズエさんがおやつにと、この時期に作ってくれたのが高菜のおにぎりでした。シズエさんの握るおにぎりは小さな俵型。そこには、子どもの小さな口でも食べられるようにという母の優しさがありました。「母は物静かで笑顔がかわいらしい人。病気がちでしたが、私たち家族のためにどんなときも毎日台所に立って料理を作ってくれました。母はもう亡くなりましたが、今でも母の優しさは鮮明に記憶に残っています」中学卒業後、看護学校に通うため実家を離れた康子さん。母と一緒に料理をする機会が少なかったため「もっと料理を教わっておけばよかった」と後悔していました。そんな康子さんが結婚して驚いたのは、義母とシズエさんの味がとても似ていたことでした。「本当に母の味と一緒で、運命のようなものを感じた」と振り返ります。康子さんが握った高菜のおにぎりを食べるのは夫の隆雄さん。「作り方は母の姿を思い出しながら。夫はおいしいと喜んでくれます。義母の味に親しんだ夫がおいしいと言ってくれると、母の味に近づいているのかなとうれしくなります」とほほ笑みます。「高菜の漬け方は簡単に見えますが、いい具合に漬けるのが難しい。高菜の匂いと一緒に、母との思い出がよみがえってきます。いなくなってさらに母のありがたさを感じています」康子さんが握る高菜のおにぎりも俵型。そこには母への感謝の思いが詰まっています。◎霧島大窪母の呼ぶ声聞こえる「高菜のおにぎり」谷山康やす子こさん(57)〈材 料〉高菜…1㎏に対し塩30gから40g、ご飯…適量〈作り方〉① 高菜は洗って1日干し、しんなりなったら塩もみし、容器に詰めて約2㎏の重しをする。② 水が上がってきたら、水を捨て、しっかり絞って冷蔵庫で保存する。③ 茎の硬い部分を薄く切ってご飯に混ぜ込み、柔らかい葉先で全体を包む。高菜のおにぎりFM きりしま(周波数:76.9MHz )で、この「思い出の味」を鹿児島弁で紹介します。?放送日時=5月21日(木)午後3時30分~、 (再放送)5月22日(金)午前10時30分~?コーナー名=「Junjunと堀ちゃんの かごっま弁で語いもんそぉ」広報きりしま 14s l o w f o o d & l i n k