ブックタイトル広報霧島 2015年5月号
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広報霧島 2015年5月号
〈随ずいそう想〉事で鹿児島市や鹿屋市、志布志市にご縁をいただき、ひと月に2、3回のペースで東京から通っていたことも偶然ではなかったのだと深く感じています。鹿児島空港への着陸前、そして離陸直後、空から見える霧島山や桜島の姿にどれほど励まされ、癒やされたことでしょう。そのたびに「ただいま」「行ってきます」と、心の中で何度つぶやいたことでしょう。今でも、朝陽や夕陽に紅薫る海や山々は記憶の深い所に焼きつき、魂を鼓舞してくれます。余談ですが、かつて両親が乳飲み子の僕を連れて、人生初めての家族旅行で訪れた場所が霧島市の牧園だと、後に聞かされたときも驚きでした。これも不思議な巡り合わせだと、見えざる力に頭こうべを垂れるばかりです。長年の東京での生活は慌ただしい日々でした。もちろん、毎日一生懸命過ごしていたことは自負していましたが、大切な何かを削ぎ落としていた感覚もありました。こぼしながら、忘れかけていたもの。日本の原風景や、素朴で美しい人々との触れ合いを、この霧島は再び与えてくれました。僕は中国の伝統医学である「※1中ちゅう医い学がく」を施す国際中医師です。職業柄、日々、自然の恩恵に感謝の念が増すばかりですが、食育や食養生を中心に考えなくとも、この霧島は特別な土地だと思っています。豊富な降雨、幻想的な霧や火山活動で得られる温泉。広大なシラス台地にろ過された清らかな水源。そして海、風、土、生態系。どれをとっても大自然が織り成す奇跡の宝庫。まさに日本の宝です。特に、暖かくも厳しい環境を礎にしながら、「地産地消」「※2身しん土ど不ふ二じ」を支えてくださっている第一次産業の方々には本当に頭が下がります。たくましく優しい人々。「おもてなしの心」を大切にされる皆さま。単に観光地と呼ぶには、はばかりのある、あまりに尊い歴史的天孫降臨の地。この素晴らしい土地が我々「ひと」を、そして僕自身を受け入れてくださったことに感謝するとともに、先人たちが愛した霧島を、次世代にどProfile奇跡の宝庫、霧島◎木津 龍馬18歳で故郷の宮崎を離れ関東へ。そして平成23年3月11日に起きた東日本大震災をきっかけに、30年間住み慣れた東京を後に霧島へ参りました。思えば、平成20年から仕うつなぐことができるか、日々、考え行動していこうと思います。地域の皆さまのお役に立てることがございましたら、どうぞ何なりとお申し付けください。微力ではありますが、全身全霊でお手伝いいたします。感謝を込めて。天空にそびえ立つ山(平成23年春、東京から鹿児島への機上にて撮影)きづ りょうま(50)宮崎県生まれ。平成5年から、独自の方法で心と体の健康をつくる活動を行う。フィジカルメンタルトレーナーとしてアスリートの体づくりをはじめ、路上生活者や非行少年など社会的弱者の更正、食育指導、カウンセリングにも力を注ぐ。国際中医師、FMきりしまパーソナリティー、牧園町高千穂在住。http://m-r-archive.jp/※1 中国や台湾、アメリカなどにおける国家資格。※2 人間の体と土地は切り離せない関係にあるということ。27 Kirishima City Public Relations, 2015.5, Japan