ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play
  • Available on the Windows Store

概要

広報霧島 2015年6月号

季節ごとに表情を変えるのがいいですね。毎日世話をしていて、子どもと同じように愛情を感じます。だからどの薬草も全部好きです」と話すのは福山町福山に住む薬剤師の山形正道さん(80)です。子どものころの山形さんは探究心旺盛な少年でした。戦後、配給された砂糖の中に黒い物を発見。気になった山形さんは、すぐに東京大学理学部の原淳じゅん教授に送ります。それがダニだと知ると、ダニの研究を始め、中学校3年生のときに福山町の科学振興展町長賞を受賞しました。元々、実家が薬店だった山形さん。大学では理学部と薬学部を卒業しましたが、最初は家業を継ごうとは思っていませんでした。大手の製薬会社に入社し、東京で働いていましたが、父・政彦さんの年老いた姿を見て、跡を継ごうと決意。政彦さんの反対を押し切り、34歳のときに退社。地元の福山町に戻り家業を継ぎました。「今思えば、父が家業を継ぐのを反対したのは、大手の製薬会社を辞めてまで苦労させたくないという親心だったのかもしれません」福山町に帰ってきてからは、薬局経営の傍かたわら、姶良郡薬剤師会長、県薬剤師会副会長などを歴任。非常勤講師として加治木女子高校(現・龍りゅう桜おう高校)に勤めたこともありました。「若い人に教えるのはうれしいですね。自分が学生のころを思い出します。特に患者との関わり方を教えるのは責任を感じました」山形さんの自宅内の300坪の土地には、約450種類ほどの薬草・薬木が植えられ、「山形薬用植物園」として無料で公開されています。できるだけ地域活性化伝道師(内閣府)山形 正道さん(80)東邦大学卒業。県民の森にある自然薬草の森で協力員として22年間、利用方法や薬草の知識を教える。ラベルに薬草の効能が分かりやすく書かれているTHE SCENE Vol.100霧島に生きる広報きりしま 16s l o w l i f e