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概要

広報霧島 2015年6月号

〈随ずいそう想〉私が山に登り始めたのは今から25年ほど前のことになります。新婚のころ、龍馬とお龍さんを気取り、天孫降臨神話のある高千穂峰に登りました。今思えばその時、霧島山の神様に見初められたのかもしれません。その後、何度も霧島を訪れ、長女、次女、長男を背負い、韓国岳、大浪池に登り、長女は3歳にして自力で韓国岳に登りました。しかし、5人の子どもたちの成長、そして私たち夫婦の体重の成長とともに、いつしか山から遠ざかっていました。今から3年前、現在の勤務地である霧島警察署神宮前駐在所に勤務することになりました。新燃岳噴火の後、平成24年7月の韓国岳、高千穂峰の登山道規制解除、そして山岳遭難事故が連続発生したことをきっかけに、また山に登り始めることになりました。いつしか高千穂峰だけで190回、韓国岳などを含めると225回ほど霧島山に登らせていただきました。すっかり霧島山の魅力にとりつかれてしまったようです。登る中で一期一会の出会いもたくさんありました。昭和63年ごろ、高千穂峰に3年半もこもり、毎日高千穂峰から韓国岳を縦走する千日回峰行を達成した仙人のようなお坊さん。2000回以上も高千穂峰に登っているHさん。霧島のすてきな写真を撮り、写真集の出版を夢見ている山友のMさん。すてきな人たちとの出会いは私の一生の財産になりました。3月にはマンサク、4月はノカイドウ、5月はミヤマキリシマ、6月はヤマボウシ、紅葉、樹氷など、霧島山は1年を通して登山客の目を飽きさせることはありません。そのような霧島の地で仕事ができることに感謝の日々です。霧島山は登山客を楽しませてくれる反面、毎年山岳遭難事故が発生しています。真夏に水も持たず登山したり、早朝や夕方に照明器具を持たず携帯電話の明かりだけで登山したりする安易な登山客を時々見掛けます。霧島山は園児でも登れる山ですが、万一のことを考えて、最低限の準Profile霧島山がつなぐ縁◎諏訪 俊郎似たもの夫婦といいますが、今ではすっかり、110番ならぬ体重110㌔の私の方に似てしまった妻が、かれんな山ガール(?)だった影響で、備や注意、確実な登山届の提出が必要です。もう一つだけ残念なことがあります。毎回登山道にたばこの吸殻やごみが落ちていることです。自然に敬意を払い、霧島の素晴らしい自然を大事に守りながら、子どもたちにマナーを伝えていくことが大切だと思います。これからも地域住民の方々と協力して、微力ながら霧島の安心安全のために頑張っていこうと思います。それでは皆さん、霧島山でお会いしましょう。高千穂峰山頂の天逆鉾(友人のMさん撮影)すわ しゅんろう(57)さつま町生まれ。昭和58年に初任地の鹿屋警察署に勤務。平成24年3月に霧島警察署神宮前駐在所に赴任。32年の内、16年が駐在所勤務。巡査部長。趣味は音楽・映画鑑賞。家族は妻と3男2女。定年後はキャンピングカーで全国の山を巡るのが夢。霧島田口在住。27 Kirishima City Public Relations, 2015.6, Vol.210, Japan