ブックタイトル広報霧島 2015年6月号

概要

広報霧島 2015年6月号

知らぬ間に損害賠償責任も管理なき空き家は「負」動産「空き家の所有者は、突然２億８６０万円の負債を負うことになるかもしれない」。そんな試算を公益財団法人日本住宅総合センターが公表しています。これは、倒壊した空き家が隣接する住宅を全壊、居住する家族３人を死亡させた場合の試算です。空き家は個人の財産のため、所有者は適正に管理する責務があります。適正に管理がされていない空き家などが原因で事故が発生し、他人に損害を与えた場合は、所有者の責任が問われる場合があります。不動産は20年間続けて他人に占有さていると所有権を奪われることもあります。遠隔地の不動産となると、なかなか現地へ行くことができません。現地の状況を把握しないまま放置したがために、知らぬ間に不動産の権利を失ったり、他人に損害を与えて損害賠償責任を負ったりすることも実際に起こり得るのです。市の空き家の半数が老朽化生活環境悪化の懸念も霧島市が行った調査では、平成26年３月時点で約３６００戸の空き家があると判明（グラフ参照）。そのうち10年以上の空き家が46・２％と老朽化が目立ちます。さらに、空き家所有者の今後の活用意向を調べたところ、57・４％が「不明」と答えています。少子高齢化が進めば、これらの数字はさらに増えることが予想されます。管理されない空き家は、老朽化を早め、強風で屋根や外壁が飛ばされ他人の命や財産に危害を及ぼしたり、火災の原因や犯罪の温床になる恐れがあります。そのほか生活環境や景観の悪化につながり、「樹木の枝が敷地外にはみ出している」「ごみの不法投棄がある」「雑草が生える」「住み着いた鳥のふんが不衛生」など、苦情も多く寄せられています。あなたの空き家は大丈夫ですか。誰かに危害を加える前に、空き家の状況を確認しましょう。一歩間違えば大事故になっていた地域にある空き店舗が老朽化し、昨年の台風で壁が?がれ道路に落下したことがありました。道路が狭い上、車や歩行者が多い道なので、運悪く当たったらと思うとぞっとしました。今も改善されずに不安は募る一方です。私たちは建物の反対側を通るなどの対応が精一杯。所有者には一刻も早く解決策を見出してほしいです。赤池 勇一郎さん（59）福山町福山在住INTERVIEW96625504002006008001,000国分溝辺横川（戸） 空き家戸数牧園霧島隼人福山349459297786491■霧島市の地区別空き家数平成26年３月末時点放置され、荒廃が進んだ空き家（写真提供：NPO法人 結の夢来人・絆プロジェクト）3 Kirishima City Public Relations, 2015.6, Vol.210, Japan