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概要

広報霧島2015年7月号

「国分西小学校北側の通路は第一国分基地内の中心道路、隼人体育館は砲台の陣地跡など、霧島市内には戦争に関係する場所が今も数多く残されています」と話すのは、南九州市の知覧特攻平和会館に勤めている八巻聡さん(39)。戦争遺跡に興味を持ったのは、霧島市で航空関係の仕事を目指していた学生時代に初めて防空壕ごうを見たことがきっかけでした。防空壕が少ない千葉県出身の八巻さんは、防空壕が空襲時に避難する場所で、終戦から半世紀以上たった今も残っていることに衝撃を受け、県内各所の戦争遺跡を調査するようになります。その過程で戦争遺跡の存在が忘れられ、戦争に関する資料もほとんど処分されている事実を知り、「自分が戦争の記録を残さねば」と決意しました。八巻さんは「鹿児島は軍事上の重要拠点だったため、飛行場や砲台、防空壕などの戦争遺跡が多く残され、実際に現地に行って見て触れることができる貴重な地域。遺跡の付近には当時を知る証人もいます。戦争遺跡や生の証言に触れることが『戦争は昔話などではなく、少し前に現実に起こったこと』と知る有効な手段」と話します。知覧特攻平和会館を訪れるのは年間約60万人で、そのうち子どもや学生は年間600校、約6万人。八巻さんは「特攻隊員は17歳から32歳、平均年齢は22歳の若者でした。訪れた同世代の若者は彼らの運命を知り、心が動きます。霧島市の若者は、霧島市からも特攻隊が出撃していったことをどれだけ知っているでしょうか。ぜひ自分たちのまちであった戦争の事実を知り、自分の力で『戦争は悲惨。二度とあってはならない』という答えを導き出してほしいです」と訴えます。「戦争の時代を知る人が多く健在であった学生時代に、もっと戦争体験や証言を聞いておけば」と後悔もにじませる八巻さん。これからの時代の舵を取る「若者」こそ、今戦争を学び、知る必要があるのではないでしょうか。若者の若者による、若者ためのコーナー戦争遺跡が伝える“リアル”?今回は、戦争についてもっと知ってほしいと若者へ訴えかける人を紹介します。霧島市で過ごした学生時代がきっかけで、戦争遺跡の調査の道へ進んだ八や 巻まき聡さんです。やまき さとしさん(39)千葉県出身。平成7年第一工業大学入学。在学中に霧島市内をはじめ県内の戦争遺跡を調査。市内の戦争遺跡をまとめた本や県内の航空基地関係の戦争遺跡の本を作成し、DVDなども作成。平成15年から知覧特攻平和会館に勤務。現在も戦争遺跡を調査中。八巻さんの講演や戦争遺跡の資料展を開催■隼人歴史民俗資料館特別展「戦後70年霧島市の戦争遺跡」霧島市内の戦争遺跡の資料を展示します。?期間=8月11日(火)~9月30日(水)午前9時~午後5時※月曜が休館、祝日の場合は翌日が休館。?場所=隼人歴史民俗資料館(鹿児島神宮隣)?入館料=小・中・高校生/ 70円、大学生・一般/ 130円。■八巻さんの講演 ※申し込み不要?日時=8月29日(土)午前10時~正午?料金=入館料のほか資料代として200円八巻さんが作成したDVD「鹿児島県の戦争問=隼人歴史民俗資料館 ?(43)0179遺跡航空基地編」の霧島市部分が見られます?今も見ることができる霧島市の戦争遺跡霧島神宮駅そばの戦車壕跡八巻さんがまとめた戦争遺跡の本や県内の戦争遺跡を記載した地図溝辺町にある第二国分基地の指令壕跡入り口第一国分基地の発電所跡13 Kirishima City Public Relations, 2015.7, Vol.212, Japan