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概要

広報霧島2015年7月号

溝辺町の陵南中学校では、平和学習に力を入れています。戦争を知る人が減る中で、地元にある戦争の記憶をこのまま風化させてはいけないと4年前から戦争体験者の話を聴いたり、地元の戦争遺跡を回ったりして、学んだことを文化祭で発表しています。学習をするのは2年生。5月18日には、戦争体験者で姶良市の新にい名な正まさ治はるさん(85)から、第二国分基地の滑走路を造る作業に参加したことや空襲で同級生が亡くなったことなどを教わりました。5月22日には、戦争体験者で溝辺町麓の山下勝義さん(76)の案内で、滑走路や司令壕の跡地、国分の特攻慰霊碑、特攻隊の資料室がある溝辺コミュニティセンターなどを回りました。慰霊碑のところでは、刻まれた特攻隊員の名前の多さに驚く生徒がいました。資料室では、特攻隊員の写真や手紙を食い入るように見つめる生徒の姿がありました。中には、特攻基地があったことや特攻隊員が片道の燃料だけを積んで飛んで行ったことを、今回初めて知った生徒も多くいました。同中教諭の中迫和子さんは、この学習の必要性を訴えます。「戦争体験者の話を初めて聴いて、当時の状況をイメージしやすかったという感想もありました。体験者の話を聴いたり、戦争遺跡などを実際に見たりすることで、戦争を身近に感じてくれます。この学習を通じて、生徒たちの戦争への意識が変わりました」同中2年の堀口美み紬ゆさん(13)は、「特攻資料室があったことを初めて知りました。10代後半から20代前半の若者が、短期間で操縦の訓練をし、片道の燃料だけを積んで飛び立って行ったことを知り、胸が締め付けられそうでした。近くにあった戦争の記憶をもっと学んで、伝えていきたいと思いました」と決意を胸にしていました。実際に話を聴いたり、現場に行ったりすることで、戦争への向き合い方が変わります。戦争を身近に感じられる場所が、皆さんの周りにもたくさん残っています。溝辺町 陵南中学校国分の慰霊碑に刻まれた特攻隊員の名前の多さに驚く生徒溝辺町の特攻資料展示室には、隊員の遺品が展示されている戦争体験者の新名正治さんの話を熱心に聴く生徒たち戦争遺跡などを回り、学んだことを記録生徒に第一国分基地発電所跡地の説明をする山下勝義さん未来への遺言身近な戦争の記憶を学ぶ第二国分基地特攻資料展示室?場所=溝辺コミュニティセンター内?時間=午前8時30分~午後10時問=溝辺総合支所地域振興課 ?(59)3115薩摩隼人記念館?場所=陸上自衛隊国分駐屯地内?時間=午前8時30分~午後4時30分※事前申し込みが必要問=国分駐屯地広報班 ?(46)0350資料室の紹介陵南中学校2年堀口美み紬ゆさん(13)7 Kirishima City Public Relations, 2015.7, Vol.212, Japan