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概要

広報霧島2015年7月号

受け継いでくれることに感謝6月7日、大隅横川駅保存活用実行委員会のメンバーが話を聴きに訪れたのは、横川町下ノの田たの上うえ時男さん(94)。戦時中、皇居などで天皇陛下の護衛をする近こ の衛え兵へいでした。護衛以外にも、召集兵の教育も担当。しかしそこには、大きな葛藤がありました。「3か月で軍人としての知識を教え、戦地に送り出しました。しかし、銃を持たされたのは10人に1人。それだけモノが無かったんです。見送りに来ていた家族の顔を見るのがつらかった」空襲で亡くなった人の遺体を埋める作業もしました。部下30人ぐらいとトラックに遺体を乗せて、幅30㍍ぐらいの穴を掘り埋めました。田上さんは、あの時の光景が脳裏から離れないといいます。「山が少ない東京では防空壕ごうが造れず、道端に退避壕を造っていましたが、焼しょう夷い弾だんで焼けた建物の火が広がったり、戦後70年、今だからこそできることがある戦争体験者の生の話を聞ける機会が減る中、体験者の思いを受け継いでいこうという取り組みを始める人たちがいます。大隅横川駅保存活用実行委員会もその一つ。現在、体験者の話をまとめた記録集を作成中です。彼らを行動に移させたのは、今を生きるものとしての使命感でした。田上さんの話しを熱心に聴く愛甲さん近衛兵のときに使っていた配備計画←愛甲信雄さん(55) 田たの上うえ時男さん(94)広報きりしま 8