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概要

広報霧島2015年7月号

煙が充満したりして多くの方が亡くなりました。何百もの遺体を埋めました。そのほとんどが焼けて見るに堪えないもので、今でもはっきりと覚えています」田上さんは、当時の貴重な資料などを大切に保管しています。今回、同委員会のメンバーが話を聴きに来たことについて「自分の経験を聴いてくれて本当にうれしい。次の世代にまで受け継いでほしい」と期待していました。絶対に風化させてはいけない8年前から大隅横川駅で実施している「平和コンサート」。回を重ねる中で、同委員会会長の愛甲信雄さん(55)は体験者の話を聴くことの重要性を感じていました。「平和コンサートで聴く戦争体験者の生々しい話からは、当時の状況が目に浮かぶようで、そこからは平和の尊さが伝わってきます。そのことを多くの人に感じて欲しいと思っています」体験者の話を聴くことが大切だと思った愛甲さん。しかし、過ぎ去った70年という時間は貴重なものでした。「横川で話してくれそうな人を探しましたが、ほとんど残っていなかったんです。このままでは戦争を風化させてしまうと思い、記録集を作ることにしました。たくさんの人に話を聴いて、初めて知ることや勘違いしていたことなど、真実を知ることができ、改めて体験者に話を聴けることの重要さを感じました」記録集は7月末完成予定。愛甲さんは「私たちは、戦争体験者に話を聴くことができる世代でもあり、次につなぐことができる世代でもあります。今を生きる者の使命として、これからも平和の尊さを語り継いでいきたい」と決意を新たにしていました。戦後70 年は次への始まりのとき平和を守るためには、戦争の悲惨さを後世に語り継ぐことが大事です。しかし、人間の命には時間的な限界があります。あの時20歳だった人は、今は90歳。戦争体験者がいなくなってしまったら、語り継いでいくのは私たち戦争を知らない世代です。体験者の話には、教科書では教えてくれない「真実」があります。今なら、その真実を知ることができます。今回、取材した全員が話していたのが「二度と戦争をしてはいけない」。その思いを引き継ぎ、未来への遺言として、永遠に語り継いでいくことが大切です。戦後70年を、単なる節目の年ではなく、次への始まりのときにしてみませんか。戦争で犠牲になった多くの皆さんの思い、悲しみや恐怖の中を必死に生きてきた皆さんの思いを知り、語り継いでください。皆さんの一歩が、「未来の平和」へとつながるはずです。近衛兵の証のバッジ当時配られたタバコの真ん中には菊の紋章が近衛兵時代の田上時男さん未来への遺言■大隅横川駅平和コンサート 戦争体験者の発表や霧島国際音楽祭の音楽家によるコンサートなどがあります。?日時=7月30日(木)午後6時から?場所=大隅横川駅■戦争の記録展示 戦争の資料を大隅横川駅に展示します。田上時男さんの資料や同委員会が作成した、戦争記録集も展示予定。?期間=7月27日(月)~ 8月15日(土)?時間=午前9時から午後5時まで問=横川総合支所地域振興課 ?(72)05829 Kirishima City Public Relations, 2015.7, Vol.212, Japan