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概要

広報霧島2015年8月号

なぜか元気になるTaste of memoriesお盆を迎えると、母のあの味を思い出します」とほほ笑みながら話すのは、国分名波町の落合カツ子さん(75)。落合さんが27歳まで過ごした種子島では、お盆になると蒸しようかんを作り家族で食べ、先祖に供えたり親戚中に振る舞ったりするのが習わしでした。蒸しようかんは、寒天で固めるようかんとは違い、餡あんに小麦粉やでんぷん粉などを加え、蒸し固めたものです。母・キヌさんが作る蒸しようかんは、少し歯ごたえのある、甘さ控えめで小豆の食感が残るのが特徴です。9人家族で家が貧しく、小豆や砂糖はなかなか手に入らなかったという落合さん。貧しいながらも先祖を敬い、蒸しようかんが大好きな子どもたちの喜ぶ顔を見たくて、キヌさんは、蒸しようかんを作りました。「幼い私にとって高級なおやつ。お盆のときにしか食卓に出てきませんでした。兄きょう妹だい7人で取り合うほど母の作る蒸しようかんが大好きでした」キヌさんから直接作り方を教わったことがないという落合さんは懐かしそうに当時を振り返ります。「扇風機も無く夏の暑い中、汗をかきながらたくさんの餡を練る母を見て幼心に何か手伝いたいと、額に滴る汗を拭ってあげました。いつも近くで母の姿を見ているうちに作り方を覚えました」蒸しようかんは時間がかかり体力が要るので、今では作る機会が少なくなってきました。それでも母の味が恋しくなったときはたくさん作り、種子島に住む兄妹にも送ります。「だんだんと母の味に似てきた」とうれしそうに話す落合さんの蒸しようかんには、先祖を敬い、家族を大切にする思いが込められています。◎国分名波町夏になると思い出す「蒸しようかん」落合カツ子さん(75)〈材 料〉(5人分)小豆250g、砂糖450g、小麦粉75g、片栗粉40g〈作り方〉① 小豆を約1時間水に漬ける。② 1時間中火で小豆を炊く。③ 小豆を食感が少し残るぐらい練る。④ ③でできた餡に砂糖、小麦粉、片栗粉を入れ、よく混ぜる。⑤ 蒸し器の木枠に麻の布を敷いて④を流し込む。⑥ 強火で1時間30分ほど蒸す。蒸しようかんFM きりしま(周波数:76.9MHz )で、この「思い出の味」を鹿児島弁で紹介します。?放送日時=8月13日(木)午後3時30分~、 (再放送)8月14日(金)午前10時30分~?コーナー名=「Junjunと堀ちゃんの かごっま弁で語いもんそぉ」広報きりしま 14s l o w f o o d & l i n k