ブックタイトル広報霧島2020年11月号
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広報霧島2020年11月号
値を損なわないように処理する必要があります。隼人塚と大隅国分寺跡が国の史跡に指定されてから100年。これからも市民の皆さんに大事にしていただけるよう、保存と活用に取り組みたいと思います。(文責=坂元)大隅国分寺跡には康こう治じ元(1142)年の銘が刻まれた石造の六重層塔や石碑、金剛力士像などがあります。石で造られた文化財には、こけむしたものが多く、その姿から歴史や趣を感じる人も多いと思います。今から20年ほど前に隼人塚は大規模な調査と修復を行い、現在の姿に復元されました。2年前には付着したコケなどを取り、再びきれいな姿に戻りました。コケなどを取り除くと、せっかくの雰囲気が台無しになってしまうのではないかと心配される人も多いかもしれません。実はコケなどは石材をもろくしてしまう厄介なものなのです。コケなどの蘚せん苔たい類るいや、菌類と藻類が共生した地ち衣い類るいと呼ばれるものは、目には見えない石の隙間に入り込んだり、温湿度の変化によって膨れたり縮んだりすることによって石材に悪影響を及ぼすことが知られています。例外的なものもあるようですが、貴重な文化財を未来に残していくためにはコケなどは取り除いた方が良いのです。大隅国分寺跡の石塔今年度は大隅国分寺跡の石塔の修復を行っています。解体してコケなどを取り除き、再び積み直すため、必要な部分に最低限の擬ぎ石せき(天然の石に似せた人工的な石)などを塗り、仕上げにはっ水剤をかけて、コケなどが付きにくくします。石造りの文化財はコケなどだけでなく、水や大気など自然環境からも大きな影響を受けるので、なるべく悪影響を受けないようにして、文化財としての価令和3年3月3日は、国が初めて史跡を指定してから100年に当たります。県内では、隼人塚と大隅国分寺跡の2件が指定されました。いずれも霧島市にある史跡です。平成11年には日本で最古・最大級の縄文時代の集落跡である上野原遺跡が国の史跡に指定。平成25年には大隅正しょう八はち幡まん宮ぐう(鹿児島神宮)の境内と弥み勒ろく院いん跡(宮内小学校)、正八幡宮を支えた社しゃ家けの館跡が「大隅正八幡宮境内及び社家跡」として国の史跡に指定されました。このように、本市は縄文時代、古代、中世の遺跡が国の史跡に指定されている文化財の宝庫です。石造文化財の保存鹿児島県にある文化財の特色として、石で造られた文化財が多いことが挙げられます。隼人塚には石造五重塔が3基と石造四天王像が4 躯く、The gateway to local history大隅国分寺跡の石塔。下の写真はコケや地ち衣い類るい(左側の黒い部分や右側の黄みがかった部分がコケ、下側の白い斑点や地衣類)が付着している様子史跡と石造文化財 記念物(史跡、名勝、天然記念物)保護の取り組みが始まった大正8年から、令和元年で100年を迎えました。この節目に当たって、令和3年度まで全国で「記念物100年」事業が開催されています。本市ではパネル展を開催しますので、ぜひおいでください。?期間=①12月1日(火) ~1月11日(月・祝)、②1月13日(水) ~3月31日(水)?場所=①国分郷土館(国分上小川3819)、②隼人塚史跡館(隼人町内山田287-1)?入館料=大学生・一般150円、小中高生80円問=社会教育課 ?(64)0708「記念物100年」展23 Kirishima City Public Relations, Japan 2020.11, Vol.330