ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

広報霧島2020年12月号

県外の大学に進学し、舞台背景の制作会社に勤めていました。大学で日本画を専攻していたので、学んだことを生かしながら楽しく仕事をしていたのですが、体調を崩し3年前、横川町の実家に。今は父が営む酒・食料品・雑貨販売店を手伝っています。ある日、実行委員会の方から駅の利用促進のためにポロシャツを作るのでデザインを考えてほしいと話が。駅だけでなく周辺にも、人が訪れてもらえるように町全体をイメージして作りました。その流れで委員になりましたが、休日にボランティアで活動する先輩たちの熱意に圧倒されています。それでも「無理する必要はないからね」と優しく声を掛けてくださるので、私にできることを皆さんと一緒に楽しもうと考えています。大隅横川駅保存活用実行委員会委員森山 祐樹さん(29)若い世代につながるI N T E R V I E W明治35(1902)年8月に駅舎が完成し、同36年1月に開業した大隅横川駅。嘉例川駅とともに九州最古の木造駅舎として知られています。かつて全国屈指の産出量を誇った山ヶ野金山。精錬された青あお金きん(金に銀を加えた合金)を鉄道輸送していたことで、町は駅を中心に発展し、活況を呈していましたが、同金山の閉山以降は衰退していきます。にぎわいを取り戻すために開業から100年以上がたっても当時の姿のまま残っていた駅舎は、平成18年に国の登録有形文化財に。登録を機に、歴史ある駅舎を拠点として町の活性化につなげたいと声が上がります。翌年には駅舎の保存・活用と肥薩線の利用促進を目的に、町の有志で大隅横川駅保存活用実行委員会が結成されました。「駅は町の象徴的な存在。地域を盛り上げるため、子どもから高齢者まで、地域の人たちが集まるきっかけになればと活動しています。地域に、特に多くの高校生にとって列車は重要な移動手段。利用者を増やすため、地区外からも人が訪れるようなイベントや、駅の知名度を上げる取り組みにも力を入れています」と同委員会会長の柿かきのき木邦治さん(52)は話します。これまでに駅舎の景観に合う円筒形のポスト、蒸気機関車主動輪の設置のほか、県に要望して駅前の平和公園の整備などを実現しました。平和への願いと正月の風物詩駅を活用したさまざまなイベントも開催しており、代表的なものとして平和コンサートがあります。昭和20年に米軍機から機銃掃射の襲撃を受け、その痕跡が今もホームの柱などに残る駅舎。戦火をくぐり抜け、平和を見守り続ける駅舎を中心に、地元保育園の園児による歌や小中学生による平和へのメッセージ発表、霧島国際音楽祭の出演者などによる演奏などがあり、毎年多くの地域住民が心待ちにしています。「新年を迎えても、駅には正月らしさがない」。そう考えた同委員会のメンバーが発案し「正月らしく門松を飾ろう、せっかく作るなら大きなものを」とジャンボ門松を設置。駅を訪れる人々を驚かせるとともに、平成20年から駅舎で行われている横川地区の成人式に花を添えています。思いがつながり人を動かす「活動を長く継続させるため、実行委員会では決して無理をしない活動にしようと心掛けています。そういう中でも駅への思い、地元への思いが強く、多くの委員が積極的に活動してくれている。その姿を身近で見ているおかげか、地域の人たちも協力的な人が増えています」と喜ぶ柿木さん。「委員の高齢化が心配ですが、最近は若い世代も加わってくれたので今後の活動が楽しみです」と目を細めます。存続古里在住者りける?平和コンサートに代わって、今年開催した灯籠展 ??実行委員会のメンバーが中心になって2年前に始めた屋台村。横川町内の名物がそろう ?平和を願う歌声や演奏が響き渡る平和コンサート ?駅舎で行われる成人式。新成人はジャンボ門松の前で記念撮影??? ??3 Kirishima City Public Relations, Japan 2020.12, Vol.332