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概要

広報霧島2021年2月号

THE SCENE Vol.158霧島に生きるs l o w l i f e酪農に挑戦牧園町万膳の標高900㍍に広がる農事組合法人霧島第一牧場。設立者の一人である父親の跡を継ぎ、現在牧場長を務めるのが池田雄太さん(57)です。北海道の大学を卒業し、全国酪農業協同組合連合会に就職。牛乳工場で品質管理に従事します。「漠然と北海道に行きたいという気持ちがあったので、酪農を学ぶと言って大学に行かせてもらいました」と本音を漏らします。池田さんが30歳の時に父親から「人手が足りないから帰ってきてほしい」と連絡があり、会社を辞めて帰郷。「搾乳、哺乳、餌の調整、ほ場の管理などやらなければならないことが山積みで、大変な選択をしてしまったと思う一方、早く牧場の一員になりたいとがむしゃらに働きました」。まず担当したのが子牛を育てる哺育。4年目からは経理業務に携わり、牧場全体の経営にも徐々に関わっていきます。平成21年に牧場長に就任するも、平成23年には消化障害などが起きる病気である第四胃変位や産後の起立不能などで搾乳量が減り経営危機に陥ります。何か対策をしなければと考えた池田さんは、工場での経験を生かし感覚で行っていた作業を徹底的に見直します。牧草など粗飼料の品質向上と飼料の配合調整、繁殖改善、定期的な削蹄の四つの項目で課題解決に取り組み、牛の状態が改善。9千㌔が平均といわれる1頭当たりの年間搾乳量は1万2500㌔に向上しまし牧園町出身。趣味は山登りとスキー。走ることも好きで60歳までにフルマラソンに挑戦するのが目標。一番の理解者であり、とても感謝している妻と2人暮らし。国分在住。池田 雄太さん(57)広報きりしま 14