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概要

広報霧島2021年2月号

医学の発展とともに私たちの暮らしに欠かせなくなった薬ですが、どんな薬にも必ず副作用があります。症状の改善が期待できる主作用に対して、求める以外の好ましくない効果が副作用です。服用する薬の種類が多くなると副作用が出やすくなり、その状態を「多剤併用(ポリファーマシー)」といいます。高齢になるほど日常的に複数の薬を服用する人が多く、より一層適切な管理が必要です。薬のリスクを考える「何種類以上からが多剤併用という定義はありませんが、6種類以上を服用している人は、副作用などによる意図しない健康への悪影響が出やすくなります。薬の成分は体内にないもので、良くも悪くも体にとって異物なのです」と話すのは、姶良地区薬剤師会会長の山﨑貴さん(59)です。「多剤併用が必ずしも悪いことではありません。多くの種類の薬を飲んでいても、補い合うものなど、それぞれ役割りが違うからです。しかし、薬の飲み合わせによっては効果を下げたり、効き過ぎてしまったりすることがあります。飲み方や用法・用量を守らないと、治りが遅くなることや期待していた効果が得られなくなることも。症状が治まったとしても、処方の際に指導された通りに服用し、薬の管理を徹底することが大切です」と呼び掛けます。薬の管理は専門家に薬の管理に役立つのが、調剤薬局に行けば無料でもらえるお薬手帳。副作用やアレルギーの有無などを記入することで、薬剤師が薬の飲み合わせや相互作用を考慮する際に、なくてはならない情報を確認できます。「複数の病院に通っている人に多いのが重複処方。手帳を活用すれば無駄な薬を処方されることがなくなり、何より同じ質問に何度も回答する手間がなくなります。手帳は病院ごとで分けずに、1冊にまとめてください」と山﨑さんは話します。薬はいわばオーダーメイド処方された薬は一人一人の体質や体格、受診時の症状に合わせて組み合わせた、あなた専用の薬です。「飲み残しがあるから」「似たような症状だから」といった理由で使い回したり、人にあげたりするのは、とても危険な行為。時にはアレルギー症状が起きて命に関わることもあります。「サプリメントや市販薬が飲み合わせに影響する場合もあるので、気になることは何でも医師や薬剤師に相談してください。細かな相談は受け身ではない、治療への参加です。お互いに納得して治療する、安心して薬を飲むための一歩につながります」と山﨑さんは病院や薬局で自身の情報を伝える必要性を訴えます。姶良地区薬剤師会会長山﨑 貴さん(59)霧島町出身。福岡大学薬学部薬学科卒業。県内の病院や調剤薬局勤務を経て、現在は霧島記念病院で勤務。国分在住。※令和元年「社会医療診療行為別統計の概況」(令和元年6月審査分)を基に作成。年齢別院外処方(薬局調剤)の薬の種類75歳以上65 ?74歳40 ?64歳1?2種類3?5種類6種類以上34.6 34.1 31.343.8 37.1 19.146.2 38.3 15.5 何冊も持っている人は、薬剤師に相談してください。健康面に不安のある人は、かかりつけ薬剤師制度を活用しましょう。 お薬手帳はスマートフォンでも管理できます。副作用やアレルギー歴以外にも、持病などがあれば記入しておきましょう。医師や薬剤師に知ってもらいたいことはこのページに。表紙「大切な情報」欄←電子版の お薬手帳は こちらからお薬手帳を活用しましょう(%)3 Kirishima City Public Relations, Japan 2021.2, Vol.335