ここから本文です。
更新日:2024年11月25日
令和6年第4回市議会定例会の開会に当たり、現時点における市政運営の状況について申し述べますとともに、今回、提案しております議案等につきまして、その概要をご説明申し上げ、議員各位をはじめ市民の皆様方のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まず、市政運営の状況につきまして、第二次霧島市総合計画の施策体系に沿ってご説明申し上げます。
地域産業の活性化につきましては、「リノベーションまちづくり」の取組として、市内に実在する遊休不動産を題材に、新しいビジネスを生み出す実践型の「リノベーションスクール@隼人」を、10月11日から13日まで開催しました。
隼人地区で2回目の開催となった今回は、リノベーションの第一線で活躍する実践者を講師に迎え、13人の受講生が2つのグループに分かれて具体的な事業計画を練り上げ、最終日には題材となった不動産のオーナーへプレゼンテーションを行いました。
今後、事業化に向けて取組が進んでいくことを期待するとともに、引き続き、リノベーションまちづくりの推進に向けて、担い手となる人材の育成やまちづくりに対する機運の醸成を図ってまいります。
企業誘致と雇用の促進につきましては、今年度は、4月に半導体製造装置の設計・製作等を手掛ける株式会社テクノクロス九州と工場増設に伴う立地協定を、8月には大阪府に本社を置き、表面処理関連薬品の販売等を手掛ける株式会社西村ケミテックと事業所新設に伴う立地協定を締結し、本市発足後の立地協定の締結件数は、100件となりました。
また、「学生就職支援プロジェクト」の取組として、市内企業延べ9社の協力の下、7月から10月にかけて、市内外の高等学校3校を対象に「インターンシップ送迎支援事業」を実施し、22人の生徒が参加しました。来年1月には、市内の高等学校2校を対象に同事業の実施を予定しており、「働く」実体験が将来の進路選択を考える貴重な経験となるとともに、市内企業への関心が高まり、雇用の確保につながるものと期待しています。
次に、本市と霧島商工会議所、霧島市商工会等の関係機関で構成する「霧島市地域雇用創造協議会」から、厚生労働省の「地域雇用活性化推進事業」に提案していた事業構想が、8月30日付けで採択されました。
10月1日には、同省から同協議会に対して、その事業の実施が委託されるとともに、同日に開催された総会において、令和6年度の事業計画が承認されたところです。
今後は、製造業や観光・空港関連産業、医療・福祉、建設、デジタル産業を重点分野として、地域の特性を生かした「魅力ある雇用」や「それを担う人材」の維持・確保に向けて取組を推進していくこととなり、早速、12月初旬には、製造業を対象として、自社の強みや魅力を発信し、優秀な人材の確保、雇用の定着につなげるセミナーが開催される予定です。
今後も引き続き、関係機関と連携を図りながら、積極的な企業誘致活動を展開するとともに、市内における雇用対策の推進や新規学卒者の地元就職率の向上に努めてまいります。
畜産業の振興につきましては、11月3日に熊本県家畜市場で開催された「第8回九州連合ホルスタイン共進会」において、牧園地区の有限会社池田農場、同じく牧園地区の税所正幸さんが鹿児島県代表として出品され、経産牛30か月以上36か月未満の2歳シニアの部で、池田農場の出品牛が名誉賞2席を獲得しました。
この結果は、本市酪農関係者にとりましても大きな励みになるものと考えており、来年度開催される「第16回全日本ホルスタイン共進会」に向けて、引き続き、関係機関と連携を図りながら、出品牛対策に取り組んでまいります。
観光の推進につきましては、本市では、全国に向けて霧島の魅力を発信する取組として、映画やテレビドラマなどのロケーション撮影の誘致や支援を行っているところです。
このような中、本県出身の哀川翔さんが主演を務め、本市を含むオール鹿児島ロケで制作された映画「オールドカー~てんとう虫のプロポーズ~」が、今月1日から全国に先駆けて、県内の映画館で上映されています。
本作品では、霧島神宮周辺の風景や市内の焼酎蔵元、老舗ラーメン店なども舞台となっており、本市の豊かな自然や文化、街並みなど「観光地・霧島」の魅力が、作品を通じて全国に発信されるものと期待しています。
地域公共交通ネットワークの構築につきましては、昨年11月から実証運行を開始したAI活用型オンデマンド交通「きりしまMワゴン」について、本年10月から運行エリアを一部拡大し、本格運行に移行しました。11月15日現在の会員登録者数は1,900人を超え、多くの皆様にご利用いただいています。
このような中、鹿児島県が県内のDX推進に向けた機運の醸成や、デジタル人材の育成・確保を図ることを目的として開催している「鹿児島Digi-1グランプリ2024」において、きりしまMワゴンが「実装(自治体)部門」でグランプリを受賞しました。
11月17日に行われた表彰式では、デジタルを活用した最先端の取組に加え、スポンサー制度の導入など持続可能な運行について高い評価をいただいたところです。
今後も引き続き、地域住民や交通事業者をはじめとする関係者の皆様との協議を重ねながら、持続可能な地域公共交通の確保に努めてまいります。
地球温暖化対策の推進につきましては、家庭における電気の消費を抑制し、エネルギー価格の負担軽減を図るとともに、地球温暖化防止に寄与するため、消費電力の大きい家電製品から省エネ性能の高い家電製品への買換え費用に対して本市独自の補助を行っており、これまで2弾にわたり、1,059件の事前申込みがありました。
今月1日からは、第3弾の事前申込みの受付を開始しているところであり、引き続き、「ゼロカーボンシティ」の実現を目指し、市民参画型の実践的な省エネ活動の推進に取り組んでまいります。
水の安定供給につきましては、老朽化が進む基幹管路や施設について、地震などの自然災害に対応した更新等を行っており、国分台明寺配水区内の県道60号線、国分中央一丁目交差点から国分清水交差点までの区間における基幹管路シールド工事が、本年10月31日に完了したところです。
今後も引き続き、災害等に強い水道施設の整備を計画的に進めてまいります。
防災対策につきましては、本年8月に日向灘を震源とする地震が発生し、本市においても最大震度5弱の大きな揺れを観測したことなどを踏まえ、11月5日を基準日として、大地震が発生したという想定の下、参加者が一斉に命を守るための安全行動を実践する地震訓練「霧島市シェイクアウト訓練」を市全体で実施しました。
今回の訓練には、FMきりしま等の協力の下、学校や企業、自主防災組織など市内の163団体、1万2,443人が参加し、地震の際に慌てず身を守る安全確保が出来るよう、「まず低く・頭を守り・動かない」の3つの安全行動を各自実践しました。
現在、今回の訓練に対するアンケート結果の取りまとめを行っているところであり、得られた成果や課題等を今後の防災対策へ生かしてまいります。
火災の予防につきましては、建築確認申請の際に、防火上の安全確保の観点から必要となる消防同意等について、県内の消防機関で初めて、手続きのオンライン化に取り組むこととしており、令和7年3月からの運用開始に向けて、関係機関と連携し、準備を進めているところです。
本事業は全国でも先進的な取組であり、今後も引き続き、デジタル技術も積極的に活用しながら、市民生活の安全性と利便性の向上に努めてまいります。
健康づくりの推進につきましては、「(仮称)霧島市総合保健センター」の建設にあたり、本年9月25日にヤマグチ・末重・末広特定建設工事共同企業体との工事請負契約を締結し、施設の建設に着手したところであり、令和7年度中の供用開始を目指し、引き続き、計画的に整備を進めてまいります。
また、11月9日に国分ハウジングシビックホールにおいて、市民の健康意識の向上と健康知識の普及啓発等を目的とした「市民健康講座」を、霧島市立医師会医療センターとの共催で開催しました。当日は、ロボットによる手術の進化などをテーマに、同センター医師に講演をいただき、多くの市民の皆様にご参加いただきました。
今後も引き続き、市民が心身の健康管理や医療等に関する情報を分かりやすく学べる機会の提供に努めてまいります。
医療体制の充実につきましては、令和5年1月に着工し、整備を進めてまいりました霧島市立医師会医療センター新病院が、本年10月31日に竣工し、11月1日に引き渡しを受けました。今後、医療機器の搬入等を行い、来年1月11日には完成記念式典及び内覧会を開催し、2月1日から開院する予定としています。
今後も引き続き、姶良・伊佐医療圏における中核病院として、質の高い医療体制の確保に努めてまいります。
社会教育の充実につきましては、10月19日に、国分ハウジングシビックホールにおいて「霧島市教育フェスタ」を開催しました。
4回目となる今回は、国分中央高校放送部が進行を担い、「霧島市文化財少年団」や「霧島しごと維新」などの主催事業をはじめ、市国際交流協会の「青少年海外派遣事業」や市社会福祉協議会の「サマーボランティア体験」等に参加した児童生徒が、それぞれの体験を発表しました。あわせて、2階共通ロビーでは、学校紹介ポスターや学校給食の展示発表を行ったほか、「国分図書館読書まつり」や「メディアセンターまつり」も同時開催し、多くの市民の皆様にご来場いただきました。
また、10月26日には県立霧島自然ふれあいセンターにおいて、森林環境譲与税の一部を活用した「きりしまっ子の体験事業(職業体験編)」を、公益財団法人九電みらい財団、九州電力鹿児島支店との共催で開催しました。当日は、市内の小学生やその保護者など17人が参加し、間伐作業のVR体験や森林に関する講話など、林業に関する体験を行いました。
今後も引き続き、心身ともに健全な「きりしまっ子」の育成に向け、取組を進めてまいります。
次に、国分中央高校に関する喜ばしい話題としまして、10月に開催された九州地区高校野球大会鹿児島県予選におきまして、同校野球部が準決勝に進出し、全校生徒が応援する中、強豪校に勝るとも劣らない、はつらつとしたプレーで球場を沸かせました。
惜しくも決勝進出は果たせなかったものの、素晴らしい成績であり、同校野球部の雄姿を甲子園で応援できる日を大いに期待しています。
スポーツの推進につきましては、10月14日のスポーツの日に、市民のスポーツへの興味・関心を高めるとともに、競技人口の増加を目的とした、市スポーツ協会主催の体験型スポーツイベント「きりしまスポーツまつり2024」が、福山黒酢桷志田パークを中心に開催されました。
6回目の開催となった今回は、東京2020オリンピック柔道女子78キログラム級金メダリストの濵田尚里選手を招いての柔道体験や、本市を活動拠点とする女子ハンドボールチーム「ブルーサクヤ鹿児島」による体験プログラムなども開催され、幼児から高齢者まで、多くの市民の皆様が様々なスポーツを楽しんでいました。
今後も引き続き、市民が生涯にわたり、スポーツに親しむことができる環境づくりに取り組んでまいります。
次に、スポーツ・文化に関する喜ばしい話題としまして、本市の溝辺町出身で、第2代おじゃんせ霧島大使である井上一樹氏が、プロ野球中日ドラゴンズの来季1軍監督に就任されました。
井上監督は、陵南中学校から進学した鹿児島商業高校で甲子園に出場、高校卒業後は中日ドラゴンズに入団し、20年間プレーされました。引退後は、指導者や野球評論家を務め、今季は中日ドラゴンズの2軍監督として、若手の育成に尽力されたところであり、県内の高校出身者で、初の1軍監督となる井上監督の更なる活躍に期待しています。
また、第4代おじゃんせ霧島大使で、平成13年から霧島国際音楽祭の音楽監督も務める、チェロ奏者の堤剛氏が令和6年度文化勲章を受章されました。
今回の受賞は、日本クラシック界の第一人者として、長年にわたり国内外で活躍されるとともに、後進の育成に尽力し、関係団体の要職も歴任されるなど、芸術文化の振興に寄与した功績が評価されたものです。
本市にとりましても大変名誉なことであり、心からお祝いを申し上げます。
移住定住の促進につきましては、本市への移住に興味・関心がある方を対象とした移住体験ツアー「きりしま暮らし大大大満喫ツアー」を10月26日から28日にかけて実施し、首都圏を中心に、4組4人の参加がありました。
今回は、稲刈りや野菜の収穫などの農作業体験、市内の中古住宅の見学のほか、先輩移住者との交流を通じ、地域の魅力や普段の生活に関する情報交換が行われるなど、観光旅行では味わうことができない、充実した移住体験ツアーとなりました。
また、移住希望者のニーズに合わせて、訪問先や体験内容の行程を作成する「オーダーメイド型」の移住ツアーも実施しており、10月末現在で7組13人の参加者に、移住後の生活イメージを深めていただいたところです。
今後も引き続き、ライフスタイルの多様化等を踏まえ、地域住民や移住者等と連携を図りながら、本市の魅力を発信するとともに、移住定住の推進に努めてまいります。
人権の尊重につきましては、10月19日に、国分ハウジングホールにおいて「霧島市じんけんフェスタ」を開催しました。当日は、武蔵野大学名誉教授の佐藤佳弘先生を招いて、インターネット上の人権侵害問題をテーマに講演をいただき、多くの市民の皆様にご参加いただきました。
多文化共生の地域づくりにつきましては、長年にわたり青少年交流を続けているマレーシア・マラッカ市のセントフランシス学院の学生14名と教職員等6名が、10月22日から23日まで本市を訪問され、交流を深めました。
また、10月27日には、アメリカ・ロサンゼルス市で開催された「南加鹿児島県人会創立125周年記念式典及び祝賀会」に、本県からの訪問団の一員として私も参加し、本市にゆかりのある移民の方々との交流を深めるとともに、本市や霧島茶などのPRを行いました。
デジタル技術を活用した行政サービスの充実につきましては、自治体情報システムの標準化に向けて、現在、住民基本台帳や地方税等の20業務において、国が定める標準仕様に準拠したシステムの開発や移行対象データの整理を進めるとともに、高水準のセキュリティを確保したガバメントクラウドの利用に向け、調整作業等を行っているところです。
今後も引き続き、令和7年度末までの標準準拠システムへの移行を目指し、着実に準備を進めてまいります。