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更新日:2019年3月25日

平成21年第1回霧島市議会定例会、所信表明

本日ここに、平成21年第1回霧島市議会定例会の開会に当たりまして、市政運営に臨む私の所信を申し述べますとともに、今回提案いたしております議案につきまして、その概要をご説明申し上げ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

私が、平成17年11月27日、初代霧島市長に就任いたしましてから、早いもので3年3ヶ月が経過し、いよいよ平成21年度が、1期4年間における集大成の年となりました。
私は、市長に就任して以来、「開かれた市政」「活力ある市政」「公正で公平な市政」の3つの基本姿勢を堅持しながら、「市民総親和」のもとマニフェストに掲げております「美しい霧島市」「日本一のふるさと」づくりを目指し、市民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、霧島市政の運営に、全身全霊を傾け取組んでまいりました。

この間、合併直後の様々な難題、課題もございましたが、平成18年度は、「価値創造」を念頭に霧島市の『黎明の年』として、平成19年度は、「経営健全化計画」の実現に向けた取り組みを着実に進めるための『行財政改革断行の年』とし、平成20年度は、第一次霧島市総合計画の初年度として『新ふるさと草創の年』と位置付け、厳しい財政状況にあっても本市独自の特色ある施策を積極的に推進してきたところでございます。

本年は、この3年間の成果を踏まえ、1期4年間の集大成として『熟慮断行の年』と位置付け、情熱と信念を持って、市政の運営に取り組んでまいる所存でございます。

さて、世界経済は、アメリカのサブプライムローンに端を発した100年に1度とも言われる危機に陥っており、わが国の経済にも重大な影響を及ぼしております。特に中小企業の資金繰りや雇用情勢の悪化、倒産件数の増加など、景気はますます悪化しております。また、先行きについても、当面、悪化が続くものと見られており、急速な減産の動きなどが雇用の大幅な調整につながることが懸念されているところでございます。

本市におきましても、このような経済状況を踏まえ、昨年12月に「緊急経済対策本部」を立ち上げ、「霧島市緊急経済対策」を取りまとめ、これまで5回の対策本部を開催しており、中小企業経営安定策としての利子補給をはじめ、再就職支援としてのホームヘルパー資格取得養成講座、市の臨時職員の雇用などの各種対策を講じ、それぞれ成果を挙げてきております。また、今回、地域経済活性化対策としてのプレミアム付き商品券発行事業の助成なども補正計上しており、今後も企業訪問なども実施しながら、引き続き地域経済活性化のための対策を講じてまいります。
こうした情勢の中、国は国民生活と日本経済を守る観点から「当面は景気対策」、「中期的には財政再建」、「中長期的には改革による経済成長」の三段階で経済財政政策を進めるとしております。

国の平成21年度予算編成におきましては、世界的な経済金融危機にあって、国民生活と日本経済を守るための施策を大胆に実行するとともに、財政規律を維持する観点から、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」、「経済財政改革の基本方針2007」及び「経済財政改革の基本方針2008」に基づき、財政健全化に向けた改革を継続することとしております。

また、地方財政につきましては、景気後退や「生活対策」に伴う地方税や地方交付税の原資となる国税収入が急激に落ち込む中で、社会保障関係経費の自然増や公債費が高い水準で推移することなどにより、財源不足が大幅に拡大するものと見込まれたことから、「基本方針2006」等に沿って、国の歳出予算と歩(あゆみ)を一(いつ)にして、給与関係経費や地方単独事業費の抑制を図る一方「生活防衛のための緊急対策」を踏まえ、雇用創出等のため、地方交付税を1兆円増額するとともに、地方財政計画の歳出を増額することとされたところであります。

一方、鹿児島県におきましては、これまで「県政刷新大綱」に基づき、行財政改革を進められておりますが、平成21年度当初予算につきましては、より一層の歳出削減・歳入確保の取組による行財政構造改革の着実な進展を図ることとし、「力みなぎる・かごしま」の実現を目指し「安心・活力・改革継続予算」として予算編成がなされております。

さて、現在の本市の財政運営につきましては、国・県同様に大変厳しい状況でありますことは、これまでも機会あるごとに申し上げてきたところでございます。「霧島市行政改革大綱」や「霧島市経営健全化計画」等の取組による財政健全化に向けた成果は徐々に出てきているものの、依然として厳しい状況に変わりはございませんので、引き続き財政健全化に向け、徹底した行財政改革をより一層推進していく必要がございます。

このようなことから、平成21年度予算につきましては、平成20年度に引き続き「持続可能な健全財政の確立」、「将来市民負担の軽減」、「ビルドアンドスクラップの推進」及び「市民への説明責任(アカウンタビリティ)」を基本的な経営方針として定め、「第一次霧島市総合計画」に基づく7つの政策を着実に実行します。特に、全庁横断課題を解決するため、行政資源の「選択と集中」により、優先的に進めることが必要な8つの重点施策を掲げ、20年度に引き続き、地域活性化を盛り込んだ「霧島・元気なふるさと再生予算」として位置付け、厳しい財政状況にあっても本市独自の施策を積極的に推進する編成を行ったところでございます。その結果、平成21年度一般会計当初予算の総額を494億2千万円とし、平成20年度と比較しまして5億1千万円、1%減の予算といたしました。

特に、平成21年度は、景気の悪化により、法人市民税をはじめとする市税や地方譲与税等で平成20年度に比べ約11億9千万円の減と見込まれますことから、一般財源の不足額24億2千万円を財政調整基金の取崩しで対応することといたしました。

今後も「将来にわたり持続可能な健全財政」を維持するため、平成21年度以降につきましても、引き続き財政健全化に努めてまいる所存でございます。
それでは、次に平成21年度に取組む主な事業等について総合計画の7つの政策体系に沿って、ご説明申し上げます。

第1「快適で魅力あるまちづくり」

総合計画前期5ヵ年基本計画の全庁横断課題である「各々の地域が個性豊かに発展し、霧島市としての一体感を構築する」とも連動した、中山間地域の政策課題を解決するために、「霧島・元気なふるさと再生事業」を引き続き実施してまいります。

まず、再生集落対策につきましては、霧島市元気なふるさと再生委員会で対策を協議するとともに、元気なふるさと再生集落の活性化を図るため、集落支援員を配置いたします。

次に、移住定住促進策につきましては、移住体験研修事業や移住希望者への情報提供などを引き続き行ってまいりますとともに、平成20年度から実施しております移住定住補助金制度については、さらなるPR活動を展開し、移住者の増加を図るなどおじゃんせ霧島関連事業を行ってまいります。

また、交通体系、特にバス運行事業につきましては、平成20年度に本市の公共交通の課題を抽出し、あるべき姿を検討しながら、コミュニティバスをはじめとする公共交通の利用促進策についてとりまとめた霧島市地域公共交通計画を基本に、平成20年度から全地域に運行を始めたコミュニティバス、循環バスの運行の見直しなどさらなる利用促進策などを実施してまいります。

地上デジタル放送支援事業につきましては、平成23年7月24日までにアナログ放送が終了することから、地上デジタル放送への完全移行を目指し、国及びNHKの補助事業を活用しながら、共聴施設の整備を支援していくとともに、新たな難視聴地域を洗い出し、この地域における対策手法を検討してまいります。また、関係機関と連携をとりながら、高齢者や障がい者等に対し、アナログ放送終了のきめ細かな周知を行ってまいります。

道路整備につきましては、安全で快適な市民生活の確保のため、また、都市機能の充実及び産業経済の発展を図る重要な社会資本として、道路の体系に応じて今後も積極的かつ計画的に進めてまいります。
まず、市道の整備につきましては、国道や県道とリンクした広域道路ネットワークによる総合的な交通体系の構築を念頭におきながら整備を進めていく計画でございます。

平成21年度は、平成22年4月に開校予定である(仮称)第二国分西小学校の周辺道路の整備を促進してまいります。
また、国分上井地区の交通の円滑化及び地域住民の利便性の向上を図るため、辺地対策事業により整備を進めております、(仮称)黒塚第二橋の上部工及び前後の取付道路の整備を行い、完成する予定でございます。
このほか、日常生活を営む上で重要な生活関連道路につきましては、各地区のまちづくり計画書等に基づき、地域の実情に応じた改良、維持補修などに努め、道路の改善・向上を図ってまいります。

土砂災害・河川災害の防止につきましては、地域住民の生命財産を守るため、急傾斜地崩壊対策事業として、横川上(かみ)尾田(おた)2地区外7箇所、県単砂防事業として牧園古道川外11地区で、また、県単急傾斜地崩壊対策事業として、溝辺宮川内6地区外2箇所で実施する計画でございます。

総合治水対策につきましては、国分・隼人地区の総合的な治水対策を図るため、国分市街地における、豪雨時の浸水被害の低減を図るため、引き続き排水施設の改修工事を実施するとともに、天降川流域周辺における放水路及び樋門設置に向けての実施測量設計を行う計画でございます。

港湾整備につきましては、県営事業において福山港の防波堤や階段護岸、遊歩道の整備のほか、隼人港入口の防波堤へ消波ブロックの設置が行われることになっております。
なお、隼人港外港の整備につきましては、多くの課題はございますが、今後も引続き粘り強く、県への働きかけなどを行い、その実現に向けて努力してまいります。

市営住宅につきましては、入居者に安全で快適な住環境を提供するため、各団地の外壁改修や個別改善工事を計画的に推進してまいりますとともに、消防法で義務付けられている火災報知器の設置や地上デジタル放送全面移行に伴う受信設備の改修工事、耐震診断を実施するほか、老朽化した木之房団地の建替事業の設計、解体工事に着手することといたしております。
都市計画につきましては、都市計画区域の将来の目指すべき都市像を描き、その実現に向けての道筋を明らかにするため、平成20年度から策定作業を進めております「都市計画マスタープラン」を完成させますとともに、都市の整備、開発及び保全を図るべき地域を指定することで、都市計画区域内の土地利用の規制・誘導を行い、秩序ある整備の推進を図るため、「都市計画区域及び用途地域の見直し検討」を行ってまいります。

また、具体的事業といたしましては、幹線道路として、早急な整備が望まれている(仮称)新川北線の事業採択に向けた手続きを進めてまいるほか、隼人と牧園間に架かる妙見防災人道橋の安全利用を図るため橋補修工事を行ってまいります。
中心市街地活性化につきましては、合併やまちづくり3法の改正を踏まえ、潤いのある都市景観整備により市民の皆様の利便性や快適性を向上させるため、法に基づく「中心市街地活性化協議会」の組織設立に向けた検討や拠点地区のまちづくり勉強会を商工会議所等と連携して行ってまいります。

街路事業につきましては、交通渋滞緩和と歩行者の安全確保及び中心商店街の活性化を図るため、平和通線と向花清水線の整備を促進してまいります。

公園・緑地の整備につきましては、平成20年度から実施している国分上井地区のコミュニティ広場の完成を目指すほか、国分広瀬地区のコミュニティ広場の建設用地の取得や福山地区の(仮称)まきのはら総合運動公園多目的広場等の整備を行ってまいります。また、(仮称)霧島中央公園につきましては、平成16年度に鹿児島県から返還された約27haの鹿児島県立農業大学校の跡地と旧牧園牧場周辺も含めた土地を有効活用するため、約15haの公園整備の基本設計等を行ってまいります。

土地区画整理につきましては、現在、実施中の浜之市地区と麓第一地区両地区の平成27年度完成を目指して、計画的に事業を進めてまいりますとともに、隼人駅東地区につきましては、全体面積23.1haのうち、早期に事業着手できる南側の約13.1haの地区の事業計画の認可を予定いたしているところでございます。

上水道・簡易水道事業につきましては、公営企業の経済性と公共性を重視するとともに、独立採算制の原則を堅持しながら、管路の新設及び老朽管の布設替え、配水池等の施設整備などを計画的に行い、安全で良質な水の安定供給に努めてまいります。また、合併協議において5年間で統一することとされている水道料金につきましては、平成22年度の改定にむけての作業を進めてまいりたいと存じます。

安心安全なまちづくりのうち消防につきましては、平成20年度に着手した北消防署の移転建設事業を引き続き進め、平成21年度内の完成及び開署を目指してまいります。また、福山分遣所の普通救急自動車を高規格救急自動車へ更新するほか、消防ポンプ自動車の買い替え及び防火水槽等の整備を計画的に行ってまいります。

防災行政無線設備につきましては、災害情報伝達の一元化及び迅速化を図るため、国の整備方針に基づくデジタル化を図ることといたしておりますが、平成20年度の繰越事業として実施設計業務を行う予定でございます。

第2「自然にやさしいまちづくり」

環境対策につきましては、良好な生活環境を実現するため、「霧島市生活環境美化条例」の規定に基づき「霧島市環境美化モデル地区」を指定し、当該地区の住民の方々と一緒になって他の地域の模範となるような環境美化活動に取り組んでまいります。

また、低炭素社会の構築に向けて、新たに住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金事業や緑のカーテンモデル事業を実施することといたしており、従前の低公害車購入支援事業と併せ、地球温暖化を防止する取組みを推進してまいります。

さらに、ローカルエネルギー館については、地球温暖化防止や新エネルギー・省エネルギーなどを主なテーマとして、市民や児童・生徒、環境関係の市民団体や企業等の学習と交流の拠点としてリニューアルするための基本設計と実施設計を行ってまいります。

環境学習につきましては、ノカイドウやミヤマキリシマなどが牧野富太郎博士により調査・命名されて今年で100周年を迎えることから、今後のさらなる自然環境の保護・保全の契機とするため、高知県立牧野植物園から講師を招いて講演会を開催し、市民の自然環境意識の高揚を図るとともに、ジオパークの地域指定に向けた市民団体等の交流と学習の機会を創出してまいります。

廃棄物対策につきましては、生ごみ等可燃ごみの減量化やリサイクルの試行、焼却灰の再資源化の調査研究を行い、中間施設であるごみ焼却施設への負荷の低減を図るとともに、焼却コストや焼却灰の処理費削減に努めてまいります。

また、一般廃棄物管理型最終処分場の建設につきましては、昨年4月に福山町の宝瀬地区を候補地として選定させていただき、立地可能性調査の実施に向けた地元説明会や先進地の視察を行い、現在、一般廃棄物管理型最終処分場建設の是非を判断させていただくために、立地可能性調査の実施に向けて、地域の方々と協議を詰めているところでございます。地域の皆様に今後も立地可能性調査についてのご理解をいただくために、誠心誠意努力を尽くしてまいりたいと存じます。

下水道事業につきましては、現在、事業を推進しております国分隼人地区及び牧園地区の下水処理人口普及率は、26.5%となっておりますが、新たに国分隼人地区25.1haと牧園地区4.5haの面的整備を行うことにより、約1,170人の処理人口の増加を図り、汚水の円滑な処理を行ってまいります。

第3「活力ある産業のまちづくり」

農業の振興につきましては、国内の食料自給率向上が急務となっている中、農業の根幹である農地や農道、用排水路等農業用施設の基盤整備を計画的に進めますとともに、耕作放棄地の解消の取組みによる農地の有効活用や、農地の貸し借りを促進するため農地流動化促進事業による農地の集積拡大を図ってまいります。また、茶の霜害による品質低下を防ぐための防霜施設整備事業の導入や野菜・花き安定対策として国・県の事業導入による農業所得の向上策、農業後継者等育成就農支援事業による新規就農者の支援に努めてまいるほか、新規就農者の研修、農作業受委託及び農地流動化を担う農業公社設立の検討を進めてまいります。今後、農村地域では過疎化、高齢化により集落機能が弱まり、農地や農業用水などの保全が危惧されますことから、地域共同活動である中山間地域等直接支払事業や「農地・水・環境保全向上対策事業」を積極的に推進いたしますとともに、活力と潤いのある農村地域を創造するために基盤整備事業と併せ農村環境保全の整備に努めてまいります。

畜産の振興につきましては、畜産経営の安定に資するために家畜導入資金の貸付けや、肥育素(もと)牛の地元購入を推進するとともに、環境に配慮したパドック付ドーム型牛舎の整備を促進し、効率的かつ安定的な畜産経営の向上を図ってまいります。

林業の振興につきましては、地球温暖化に伴う二酸化炭素の吸収源でもある森林の適正な施業や広葉樹などへの転換などにより、森林のもつ多面的機能が発揮できるよう森林整備を促進し、健全な森林の育成を通じて林産物の安定供給や公益的機能の維持向上に努めてまいります。

また、木材価格の低迷、林業生産コストの増大などによる経営意欲の低下や林業従事者の減少、高齢化による林業生産活動の停滞など依然として厳しい状況であることから、生産コストを軽減するために高性能林業機械の導入支援や、流域育成林整備事業及び森林環境税関係事業などを活用し、計画的な森林施業を促進してまいります。
水産業の振興につきましては、イカシバ投入によるイカ産卵礁の設置、マダイ、ヒラメの放流事業等を継続して行うほか、新規事業として藻場造成試験調査を行い、水産資源の増殖を図ってまいります。

商工業の振興につきましては、商工業者の経営安定と体質強化を図るため、制度資金借入に対する利子補給補助事業や信用保証料補助事業を実施するほか、商工業者の経営改善指導等に取り組んでいる商工会議所や商工会の育成事業などに努めてまいります。また、消費者生活の安定等を図るため、多重債務相談や消費生活啓発など消費者対策にも努めてまいります。

企業誘致につきましては、昨今の景気悪化に伴い非常に厳しい状況にありますが、既に立地している市内誘致企業への雇用継続のお願い及び支援活動を行いつつ、今後も全国紙への工業団地等の広告掲載や鹿児島県事務所等を通じて情報を収集するとともに、積極的に粘り強く企業訪問を行い企業誘致に努めてまいります。

観光業の振興につきましては、「霧島市観光基本計画」を踏まえ、トレッキングを組み入れたインバウンド観光の推進や県と連携して整備を進める天降川を活かした新たな観光地づくりと旧自治体の境界を越えた奥天降川流域の新たな観光スポットの発掘調査及び肥薩線全線開通百周年記念観光誘致事業などに積極的に取り組んでまいります。

また、4月には既存の4つの協会が合併し、霧島市観光協会が発足することになっておりますので、今後は連携を強化することにより、全市域的な観光戦略を実施し、九州新幹線全線開通に伴う観光客誘致への取組みや、最近の観光スタイルの変化などへの迅速な対応を行ってまいりたいと考えているところでございます。

さらに、来年から放映されますNHK大河ドラマ「龍馬伝」により、本市への観光客の増加が期待されますので、大河ドラマに本市が登場する機会を得るためのロケ誘致や観光宣伝を行うとともに、鹿児島県と連携を図り、龍馬ゆかりの地の整備などを早急に進めてまいりたいと考えているところでございます。

また、塩浸温泉福祉の里の廃止に伴う跡地の活用につきましては、福祉関連の今後の生きがい対応型デイサービス事業継続のための課題解決に向けた協議及び塩浸地区住民の皆様との協議を踏まえながら、検討を重ねてまいりましたが、鹿児島県の観光計画との関連及び霧島市観光基本計画における塩浸温泉の位置付けなどから、観光地として活用することが最善の方策であると判断いたしたところでございます。今後は県などの関係機関・団体等と十分連携し、また、各方面からのご意見を賜りながら、霧島観光ルートの中核地としてふさわしい環境整備を行ってまいりたいと存じます。

第4「育み磨きあうまちづくり」

教育全般につきましては、第一次霧島市総合計画に基づき、今後、目指すべき教育の姿を明らかにし、平成22年度を初年度とする向こう5年間に取り組むべき施策を総合的、計画的に推進するため、霧島市教育振興基本計画を策定することといたしております。

学校教育につきましては、道義高揚・豊かな心推進宣言都市として「心の教育」を充実させるとともに、家庭や地域と密接な連携を図りながら特色のある教育活動を推進し、開かれた学校づくりを目指してまいります。
さらに、重点課題である学力向上、部活動支援、不登校対策等のために指導員を配置する「小6・中1かけはしプラン」、「ふるさと達人支援プラン」や情操教育の一環として、みやまコンセールを活用する「霧島市小中学校音楽の集い」などをいっそう充実してまいるほか、霧島らしい特色ある学校づくりを具現化するために「マイスクールプランニング事業」に新たに取り組んでまいります。

学校施設につきましては、平成22年4月開校へ向け、(仮称)第二国分西小学校の校舎、屋内運動場、グラウンドの一体的な整備を進めてまいります。
国分中央高等学校につきましては、「生活産業と職業に重点を置いた基礎学習」、「職場体験学習」などを通じた「基礎学習」及び高度な資格取得に向けた「専門学習」の充実を図り、生徒一人ひとりの進路を実現し、厳しい経済情勢を生き抜いていけるよう、特色と魅力ある学校づくりに努めてまいります。

青少年教育につきましては、『わんぱく「きりしまっ子」育成プラン』に基づく青少年健全育成事業をさらに推進し、恵まれた豊かな自然環境の中で心と体のバランスのとれた、霧島の次世代を担う青少年の育成を図ってまいります。
成人教育につきましては、総ての市民が、多くの学習機会をもち、そのことにより教養を高めることのできる学習体制の構築を図るほか、生涯学習ボランティアセンターの活性化に努め、学習成果を活かした活動の場を提供してまいります。

学校保健体育及びスポーツの振興につきましては、豊かな人間性とたくましい気力・体力を持つ児童生徒の育成に努めますとともに、子どもから高齢者まですべての人々がいつでもスポーツに親しめる環境づくりや各種スポーツイベント等の開催を通して、スポーツ人口の底辺拡大に努め、温もりと活力に満ちた明るく豊かなまちづくりを推進してまいります。

文化の振興につきましては、優れた文化芸術の鑑賞機会の提供や地域に根付いた特色ある文化創作活動の支援に取り組んでまいりますとともに、関係団体と連携し、第30回を迎える霧島国際音楽祭とタイアップした「(仮称)霧島市民音楽祭」を開催するなど文化力向上と新たな文化芸術の創造を目指してまいります。

文化財の保存・活用につきましては、本市が持つ豊かな歴史・文化遺産を後世に伝えるとともに、市民が文化財に触れる機会を多く提供するため、史跡めぐりの実施や、ジオパーク指定へ向けて霧島の自然、地質遺産を理解していただくため、それらを合わせて展示する県の移動博物館事業「博物館がやってきた」の開催など、地域の文化財を活かした事業を展開し、「歴史や文化を守り育むふるさと」を目指してまいります。

図書館及びメディアセンターにつきましては、市民の教養と文化の向上を図るため、図書資料や視聴覚教材の充実、各種講座の開催、移動図書館サービス等を実施してまいります。また、利用者への充実した蔵書情報の提供や、国分、隼人両図書館を1枚のカードで利用できるよう新しい図書貸出等のシステム導入を図ってまいります。
幼稚園教育につきましては、鹿児島県と歩調を合わせ、幼稚園に入所する第3子以降に係る私立幼稚園の保護者の保育料の軽減を図るため、私立幼稚園就園奨励費補助金の助成拡充を行ってまいります。

第5「たすけあい支えあうまちづくり」

子育て支援につきましては、「安心して子どもを生み、子育てができる霧島市」をめざして「次世代育成支援対策行動計画」いわゆる「きりしますくすく子どもプラン」に基づき、次代を担う子どもたちが健やかに育つことができるよう、これまで子育て環境の整備・充実などを推進してまいりました。その結果、全国的に少子化が進む中、本市では、平成20年の出生数が前年比112人、8.9%増、1,373人と、ここ数年では、最も多い出生数となっており、それらの効果の一端が現れたのではないかと考えているところでございまして、今後も引き続き総合的な子育て支援、少子化対策を積極的に推進してまいりたいと存じます。

まず、乳幼児医療費の助成につきましては、市長就任後、早速3歳未満までの医療費の無料化に取り組みましたが、今回さらに、子育て世帯の経済的な負担軽減等を図るため、助成対象を小学校就学前までに引き上げることといたしました。また、昨年から県内でも他に先駆けて、妊婦健診の公費負担を14回まで拡充いたしたところでございますが、引き続き、妊婦及び胎児の健康の保持や妊婦世帯の経済的負担の軽減を図ってまいりますほか、特定不妊治療費の助成につきましても、対象者の経済的な負担の軽減を図るため、実施してまいります。

一方、家族や地域社会の変容による養育力の低下等により児童虐待、不登校等の問題が深刻化してきており、家庭児童相談室に寄せられる相談内容も多種多様化し、相談件数も年々増加してきております。このため、家庭児童相談員を2名から3名に増員し、緊急かつ迅速な初動体制の整備、断続的な家庭訪問や巡回相談の実施などにより的確な相談支援体制の整備を図ることといたしました。

また、近年増加傾向にある発育発達や育児についての不安がある保護者の相談に応じるため、臨床心理士を配置するなど相談機能を充実するほか、障がい児への支援策として、児童デイサービス事業などにおける療育内容の充実や、保護者や支援者等が発達障害に関する知識や理解を深めるための支援教室や市民の理解を促進するための発達支援講演会などを実施してまいります。

高齢者福祉につきましては、平成21年度を初年度とする「第5期霧島市高齢者福祉計画及び第4期介護保険事業計画」に基づき、「心豊かな支えあいのまちほっと霧島」を基本理念に、高齢者が住み慣れた地域で、健康で生きがいを持ちながら安心して暮らすことができるよう、高齢者の積極的な社会参加と生きがいづくりを目的とした「介護ボランティアポイント制度」を新たに創設いたします。また、緊急時の要援護と日常生活を支援するために24時間いつでも対応可能となるコールセンター方式による緊急通報体制整備事業も新たに実施することといたしました。そのほか、生きがい対応型デイサービス事業、配食サービス事業に加え、介護保険ボランティア養成講座、在宅福祉アドバイザーの組織化、地域福祉ネットワーク等を整備するためのすこやか支えあい事業など、高齢者等の生活機能維持強化のための介護保険介護予防事業の施策や高齢者福祉の充実に向けた取り組みを推進し、豊かで潤いのある高齢社会の創出に向けて取組んでまいります。

障がい者福祉につきましては、霧島市障がい者計画や障害者自立支援法に基づき、障がい者が地域において、自立した日常生活や社会参加を促進し、家族等の負担軽減を図るため、地域生活支援事業や障がい者日中一時支援事業など、障害福祉サービスの充実に努めるとともに、施設整備につきましては、平成20年度の繰越事業として、老朽化いたしております隼人障害者福祉作業所の事務所の建替えを行ってまいります。

生活保護につきましては、単に生活困窮者の最低生活を保障することから、自立支援を目的としたものに移行してきており、精神的・身体的自立や地域での日常生活の向上を図るため、自立支援プログラムの活用等による稼働年齢層の方々に対する自立支援に向けた指導援助を行い、関係機関と連携しながら、事業の適正な実施に努めてまいります。

地域福祉の推進につきましては、福祉業務に関する相談を一本化した福祉総合相談窓口を設置し、専門相談員による福祉に関する全般的な相談業務を行うことにより、相談者の利便性の向上と安心して相談できる環境づくりに努めてまいりますとともに、関係機関との連携強化を図りながら、的確かつ迅速に対応してまいります。
また、高齢者や障がい者等を災害から守るために、災害時に援護を必要とされる方々に対する避難支援や救助等について事前に計画を策定し、民生委員や地区自治公民館長など地域の方々と一体となってスムーズな避難ができるように災害時要援護者支援台帳を整備いたします。

市民の健康増進につきましては、平成20年度策定いたしました市民の皆様の健康づくりの指標となる「健康きりしま21」に基づき、健康・生きがいづくりや食育などに関するさまざまな事業展開を図り、「増健・食農育宣言」を推進してまいります。

まず、新たな取組みといたしまして、市民の皆様が健康で生きがいある生活を送り、健康で楽しく長生きできるよう、新たに自治公民館や自治会等の地域単位で自治公民館や健康運動普及推進員、食生活改善推進員などが中心となって、それぞれの地域の特性やニーズに合わせ、生活習慣の改善やウォーキングなどをとり入れた「健康・生きがいづくり推進モデル事業」に年次的に着手し、住み慣れたそれぞれの地域における健康・生きがいづくりを日常的に推進してまいります。

また、がんの早期発見、早期治療を促進し、特に乳がん検診につきましては、毎年度実施することとしたほか、健康福祉まつりや市民健康講座の開催を通じて市民の健康意識の向上を図るとともに、自殺予防対策のための講演会の開催などにも取組んでまいります。

鳥インフルエンザウイルスが変異して、人から人へと感染し広範囲の被害が懸念されております新型インフルエンザの対策につきましては、特に、人の移動が多い国際空港を抱える本市では、県内でもいち早く「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定し、県や姶良郡医師会など関係機関と連携して対策を推進することといたしております。

第6「共生・協働のまちづくり」

市民参加によるまちづくりにつきましては、市民・市民団体、行政間の連携強化を図るため、自治会への加入促進や計画的な活動の支援及び市民活動支援事業を引き続き実施いたします。
国際交流につきましては、青少年の海外派遣生とともに韓国の釜山を訪問するほか、国際交流員を活用した地域の国際化や、国際交流団体と連携して地域の方々と本市在住の外国の方々との交流活動を推進するなど、国際交流の裾野がさらに広がるよう努めてまいります。

人権の尊重につきましては、「霧島市人権教育・啓発基本計画」に基づき、高齢者の人権問題を啓発の重点項目に掲げ推進してまいります。また、地域で参加しやすい人権学習の機会の創出の一環として「人権尊重のまちづくり講演会」を霧島地区で開催し、人権の輪を霧島市全体へ広げていくよう努めてまいります。

男女共同参画の推進につきましては、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護・支援のための施策を総合的かつ、きめ細かく実施するために「(仮称)霧島市DV防止及び被害者支援計画」を策定することといたしております。
また、家庭における夫婦間の問題等の相談件数が増加している現状を踏まえ、相談回数の増加や相談業務に携わる相談員の養成及びスキルアップを図るとともに、関係機関との連携を強化しながら、相談事業の充実に努めてまいります。

第7「新たな行政経営によるまちづくり」

行政改革につきましては、平成18年度策定の「霧島市行政改革大綱」と「霧島市集中改革プラン」を基本に、厳しい財政状況の中で、高度化・多様化する行政ニーズに適切かつ迅速に対応できる効率的で効果的な行政経営を目指し、すでに終了した項目を除く177項目について改革改善に取組んでいるところでございます。

行政評価につきましては、平成17年度から取組みを開始し、平成20年度には、約1,200の事務事業評価と総合計画の政策、施策体系に基づく施策評価を行い、その結果を平成21年度当初予算に一部反映させるなど、行政経営システムの構築を着実に進めているところであり、平成21年度には、マニュアルなどを整備し、システムの確立を目指すことといたしております。

また、福山地区総合支所につきましては、老朽化している牧之原庁舎の現状と同地区の地域審議会の答申を踏まえ、平成22年度完成を目標に牧之原に新たな庁舎の建設を計画し、具体的な作業を進める予定でございます。
民間委託の推進につきましては、管理費の効率化や利便性の向上を目指し、積極的に指定管理者制度の導入を進め、すでに148施設において導入がなされているところでございますが、今後もさらに導入を推進してまいりたいと存じます。

税収確保の取組みにつきましては、引き続き徴収体制の強化を図りながら、現年度分の徴収強化に努めるとともに、税負担の公正や滞納繰越分の圧縮を図るため滞納処分の強化に努めてまいりますとともに、納税者が納税しやすい環境整備の一環として、すべての税目を対象としたコンビニ収納や口座振替の推進などに取組んでまいります。また、固定資産評価事務につきましては、平成24年度の評価替に向け、課税漏れ家屋を把握し、公平で適正な課税を期するため、市内の全棟調査を実施することといたしております。

市民サービスセンター「コア・よか」につきましては、昨年4月からパスポートの申請・交付業務を開始し、11月1日には国分歩道橋「コア・よかどう」も開通したこともあいまって、平成20年度4月から1月までの月平均利用者数は1,000人を超え、月平均取扱件数も1,500件となるなど、市民サービス施設として着実に活用されております。今後とも、市民のニーズに応じた市民サービスを提供できる拠点施設として適切に運営してまいります。

入札・契約制度につきましては、国県をはじめ公共事業が大幅に減少するなかで、建設業界が地域産業の中核として持続できるよう、制度の改革を進めると同時に工事の発注の平準化を図りながら、適確な工期の確保ができる体制を整備し、地元業者の育成と受注機会の確保に努めてまいります。
また、価格競争から価格と品質のバランスがとれた公共工事の調達に努めると共に、更なるコスト縮減対策を図り、「5%程度縮減」の目標達成にまい進してまいります。

「広域的な施策の取り組み」

まず、「環霧島会議」につきましては、これまで3回の会議を開催し、構成市町の課長等で組織する「環境」、「観光」、「防災」、「スポーツ」及び「広報」の五つの専門部会からそれぞれ報告を受け、今後の取り組み等についての協議を行ってきたところでございます。
また、4月中には、環境専門部会で協議検討した「日本最初の国立公園・霧島山系の自然・環境再生事業」について中央省庁への要望活動を行うことといたしております。
なお、第4回目の会議は、5月19日に鹿児島、宮崎両県知事をお招きして宮崎県高原町で開催する予定でございます。

今後も「霧島山」をキーワードに、お互いに知恵を出し合い、共通する課題や目的に向かって協働し、全国に誇れるふるさとづくりに取り組んで参りたいと考えております。
ジオパークにつきましては、「霧島ジオパーク推進連絡協議会」が昨年10月に設立されたことを受け、本年1月1日付けで企画政策課内に霧島ジオパーク推進準備室を設置し、さらに、3月1日からは都城市から派遣される職員も加えた3人体制の霧島ジオパーク推進室を発足させ、日本ジオパーク及び世界ジオパークの認定に向けまして、本格的に取組む体制が整備されることになります。ジオパークとは、科学的に見て特別に重要である貴重な、あるいは美しい地質遺産を複数含む一種の自然公園であり、現在、世界ジオパークが57ヶ所、日本ジオパークが7ヶ所存在しているところでございます。世界ジオパークに認定されますと環霧島地域の魅力が広く世界に発信されることになり、国内はもとより海外からの観光客の増加も期待されるといった効果が見込まれ、地域の活性化にも大きく寄与するものと考えているところでございます。今後、「霧島」がジオパークとしての価値を持った地域の誇れる財産であることを、多くの市民の皆様に知っていただき、鹿児島、宮崎両県の5市2町の皆様と力を合わせながら、大きな目標の実現に向けて全力を傾注してまいる所存でございます。

定住自立圏構想につきましては、昨年末、総務省から基本的な考え方、方針が示されたところであり、中心市と周辺市町村が協定により役割分担し、生活に必要な機能を確保し、人口の流出を食い止める方策でございます。このようなことから、従来の広域市町村圏は廃止されることになり、本市、伊佐市及び湧水町の2市1町で構成している姶良・伊佐広域市町村圏におきましても、定住自立圏構想を念頭におきながら、広域連携のあり方について、今後検討してまいりますとともに、どのような取組みが展開できるのか、今年度内に協議する予定でございます。

以上で、市政運営に対する私の所信の一端といたします。

お問い合わせ

企画部企画政策課企画政策グループ

〒899-4394 鹿児島県霧島市国分中央3-45-1

電話番号:0995-64-0914

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