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更新日:2020年2月19日

令和2年第1回霧島市議会定例会(施政方針)

令和2年第1回霧島市議会定例会の開会に当たり、市政運営に関する所信の一端を申し述べますとともに、今回提案しております議案等につきまして、その概要をご説明申し上げ、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

「令和」という新たな時代が幕を開けた昨年は、台風19号による風水害をはじめ、全国各地で多くの自然災害が発生した年となりました。本市におきましても、6月30日から7月3日にかけての豪雨では、人的被害こそなかったものの、日当山・姫城地区などにおいて床上・床下浸水等の被害が発生し、本市として初の警戒レベル4、避難指示の発令となりました。自然災害に対する普段からの備えと迅速な対応の重要性について改めて認識したところであり、総合治水対策や国土強靭化地域計画の策定など、災害に強い安心・安全なまちづくりに向けた取組を、引き続き着実に進めてまいります。

一方で昨年は、全国高等学校総合体育大会をはじめ、国民体育大会の競技別リハーサル大会、全国都市問題会議など、全国規模のイベントが相次いで本市で開催され、本年の「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」の開催に向けた運営やおもてなしの実践と、全国に向けて本市の魅力をPRする絶好の機会が得られた年となりました。これまで準備を重ね、いよいよ本番を迎える「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」の成功に向けて、引き続き、関係機関との緊密な連携のもと、昨年のイベントを通じて得られたノウハウも十分に生かしながら、万全の態勢で臨んでまいります。

また、中山間地域等における情報格差解消に向けた光ブロードバンド整備事業や親子で楽しめる全天候型「こども館」の設置など、市長就任以来取り組んでまいりました各事業につきましても、引き続き計画的な推進を図るとともに、新たに策定する「第2期霧島市ふるさと創生総合戦略」等に基づき、地方創生の推進や本市の更なる発展に向けて、市政の各分野において、霧島市の総力を結集した「ワンチームのまちづくり」を進めてまいります。

さて、我が国の景気は、海外経済の減速等を背景に外需が弱いものの、雇用、所得環境の改善等により、内需を中心に緩やかな回復を続けており、引き続き、この傾向が続いていくことを期待しています。

国におきましては、「新経済・財政再生計画」の下で引き続き経済・財政の一体改革が図られる中、災害からの復旧・復興と安全・安心の確保、経済の下振れリスクを乗り越えようとする者への重点支援、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持・向上を柱とする「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」も踏まえた、総額102兆6,580億円の令和2年度予算案が、去る1月20日に国会へ提出されました。

令和2年度の地方財政対策としては、地方財政計画における一般財源総額について、地方が、人づくり革命の実現や地方創生の推進、地域社会の維持・再生、防災・減災対策等に取り組みつつ、安定的な財政運営を行うために、令和元年度の水準を上回る額が確保されました。なお、地方の財源不足は増加したものの、国と地方の折半対象となる財源不足額は令和元年度に引き続き生じておらず、臨時財政対策債の発行も抑制されています。

また、鹿児島県の令和2年度予算編成の基本理念では、昨年度に引き続き「新しい力強い鹿児島」の実現に向けた各種施策を推進するため、重点的な予算配分や事業の組み替え等メリハリをつけた見直しなど、考え得るあらゆる方策を講じていくこととされています。

一方、本市におきましては、これまで「霧島市行政改革大綱」、「霧島市経営健全化計画」等に沿った適切な行財政運営に努めてきた結果、市債残高の縮減や基金の涵養が進み、「持続可能な健全財政」が構築できていると考えています。また、昨今では税収も年々増加し、2年連続で合併後最大となりました。

しかしながら、社会・経済情勢が刻々と変化している中で、市税等一般財源の安定的な確保、増収は不透明な状況にあり、合併特例措置による普通交付税の上乗せも令和3年度には全て縮減されます。加えて、少子高齢化の進行に伴い、ますます増加が見込まれる社会保障関係費や、公共建築物の老朽化対策など、行政需要が今後更に増大していくことは明らかです。

そのため、引き続き、「霧島市経営健全化計画(第3次)」の下、行財政改革を積極的に推進し、真に必要な行政サービスの質と量を確保しながら、健全な財政運営の堅持に努めてまいります。

このようなことから、議案第17号「令和2年度霧島市一般会計予算」は、引き続き「持続可能な健全財政の確立」、「将来の市民負担軽減」、「スクラップアンドビルドの推進」、「市民への説明責任」を基本的な考え方として、「第二次霧島市総合計画」等を踏まえながら、行政の効率化・合理化を一層推進し、喫緊の課題に的確に対処するとともに、幅広い世代に対して有益で切れ目のない施策を展開するための事業などを盛り込み、令和元年度を上回る総額608億円の予算を編成しました。

予算総額につきましては、前年度と比較し、5.4パーセントの増となっており、この主な要因は、幼児教育・保育の無償化をはじめ障害児通所給付費や生活保護費などの扶助費、隼人中学校校舎大規模改造、牧園総合支所新庁舎等建設などに要する経費の増額によるものです。

なお、予算編成における財源不足につきましては、財政調整に活用可能な財政調整基金等を取り崩して対応したところですが、「霧島市経営健全化計画(第3次)」で見込んでいる財政調整基金残高を上回っていることから、概ね同計画に沿った予算が編成できたものと考えています。

それでは次に、令和2年度に取り組む主な事業等につきまして、第二次霧島市総合計画の施策体系に沿ってご説明申し上げます。

「産業の活力があふれ、交流と賑わいが生まれるまちづくり」

商工業の振興につきましては、経営者の高齢化や後継者不足などにより、市内商店街の空き店舗率が年々高くなってきていることを踏まえ、令和元年度から取り組んでいるリノベーションまちづくりを基軸に、遊休不動産や公共空間の活用を促進してまいります。また、新たなビジネスに取り組みやすい環境等の整備に向けて、創業支援と一体となった民間主導・公民連携の取組を推進し、より戦略的かつ実践的な事業としての確立を図ってまいります。なお、2月6日に霧島商工会議所及び9つの金融機関と地域経済の活性化に向けた包括連携協定を締結したところであり、今後、それぞれの業務や人的ネットワークを生かし、連携を図りながら企業育成や創業支援に取り組んでまいります。

そのほか、国分市街地におけるまちの魅力や回遊性の向上を図るための市道「町の下2号線」や、JR隼人駅周辺の都市空間形成と賑わい創出を図るための隼人駅東西自由通路などの整備を進めてまいります。

霧島ブランドの確立と販路拡大につきましては、産学官で組織する霧島ガストロノミー推進協議会におけるブランド認定制度や市産品マッチング事業を推進するとともに、関係機関等と連携を図りながら、全国茶品評会で3年連続産地賞を獲得した「日本一の霧島茶」をはじめとする魅力ある本市産品の積極的なPRに努め、国内外での知名度向上や販路の拡大に取り組んでまいります。

企業誘致と雇用の促進につきましては、本市誕生後、65件の立地協定を締結したところです。今後も引き続き、関係機関と連携強化を図りながら、本市の地理的特性や人材確保面での優位性、企業立地等に対する優遇制度のPRなどにより、積極的な企業誘致活動を展開してまいります。

また、若者、女性、高齢者、障がい者など多様な人材を生かした地元雇用の創出に努めるとともに、新規学卒者の市外への人材流出に歯止めをかけるため、高校生や大学生等を対象とした合同企業説明会や工場等見学会の実施など、地元企業の情報を知る機会の充実を図り、地元就職率の更なる向上に取り組んでまいります。

農業の振興につきましては、担い手の確保・育成を最優先事項とし、中心的担い手である認定農業者等の経営発展や次世代を担う新規就農者の経営安定等に必要な農業機械・施設の整備に対する本市独自の支援策のほか、担い手の経営基盤強化、農地の集積・集約化、経営所得安定対策などを引き続き推進してまいります。

また、環太平洋経済連携協定などの大型経済連携協定の発効に伴う経済のグローバル化の進展や消費者ニーズの多様化に対応するため、生産者団体等が行う農産物等の知名度向上に向けたPR活動や、6次産業化・農商工連携による商品開発などの取組に対して、本市独自の支援策を継続してまいります。

あわせて、中山間地域等の条件不利地域において生産者等が自ら行う農業生産基盤の維持・保全活動を支援するとともに、農作物への鳥獣被害の抑制、耕作放棄地の解消、地域資源の活用などの取組を推進してまいります。

さらに、農業生産の基盤である農地や農道、用排水路等の農業用施設の計画的な整備や適切な維持管理に努めるとともに、農地・農業用施設の保全等に係る地域の共同活動や農村環境の保全に資する農業生産活動等への支援を継続してまいります。

畜産業の振興につきましては、令和4年10月6日から10日にかけて本市牧園町高千穂地区で開催される第12回全国和牛能力共進会を見据え、出品牛対策として、優良牛を確保するための市単独の導入対策事業や、専門指導員による飼養管理技術向上等を図るための巡回指導を実施するとともに、引き続き、関係機関等と連携を図りながら、出品牛対策や経済効果を高めるための方策等に積極的に取り組んでまいります。

なお、国内での豚熱、いわゆる豚コレラの発生等を踏まえ、養豚農家に対して、家畜伝染病の侵入を防止するための防疫資材の配布を行ったところであり、今後も関係機関と連携を図りながら、家畜の防疫対策に取り組んでまいります。

林業の振興につきましては、担い手となる人材の確保・育成や森林施業の集約化等による作業の低コスト化を進め、間伐や再造林等の森林管理を計画的に推進するとともに、引き続き、林道等の路網整備や高性能林業機械の活用促進による木材の安定供給体制づくりに努めてまいります。また、森林環境譲与税を活用し、森林の適正な管理を推進するため、森林管理に関する所有者の意向調査を実施するほか、令和2年度から新たに、新規参入定住化促進や里山林等の整備などに取り組んでまいります。さらに、再造林対策として、伐採・再造林巡視員を新たに配置し、伐採の適正な実施や再造林を推進してまいります。

水産業の振興につきましては、近年の漁獲量の減少を踏まえ、水産資源の維持増殖を図るため、イカ産卵床の設置やマダイ等の放流を継続するとともに、「獲る漁業」から、「霧島あさり」や「霧島岩がき」などの養殖をはじめとする「育てる漁業」への転換を推進し、漁業者の経営安定を図ります。

また、永浜漁港につきましては、引き続き、水揚げ作業の効率化を図るための施設整備を進めてまいります。

観光業の振興につきましては、鹿児島県全体において、一昨年のNHK大河ドラマ「西郷どん」の放映や、明治維新150周年に関連した経済効果が一段落する中、本年の「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」では、本市において10競技が実施されることから、積極的なプロモーション活動を展開し、本市の多様な魅力をPRしてまいります。

また、日当山西郷どん村につきましては、昨年12月のリニューアルオープン以降、来場者数が順調に推移しており、引き続き、管理運営事業者や観光協会等との連絡調整を密に図りながら、地域と連携した各種イベントの開催などにより、本市の観光拠点としての更なる魅力向上に努めてまいります。

公共交通施策につきましては、「霧島市地域公共交通網形成計画」に基づき、地域のニーズに即した持続可能な地域公共交通ネットワークの構築を目指し、市民の皆様のご理解をいただきながら、デマンド交通エリアの拡大やふれあいバス路線等の見直しなど、地域公共交通の更なる利便性向上に取り組んでまいります。

「みどりあふれる快適で暮らし続けたいまちづくり」

快適で良好な生活環境の形成につきましては、本市の豊かな自然と住みよい環境を将来の世代に継承するため、本市の目指す環境像である「人と環境が共生するまち霧島」の実現に向け、合併処理浄化槽の設置促進や河川景観保全アダプト(里親)制度などの各種取組を積極的かつ計画的に進めてまいります。

循環型社会の形成につきましては、「霧島市ごみ減量化・資源化基本方針」に基づき、4R運動や食品ロス削減対策などの具体的な取組について、引き続き、効果的な周知・啓発を図り、ごみの減量化・資源化を進めてまいります。

また、一般廃棄物を適正に処理するため、ごみ処理施設やし尿処理施設の適切な管理運営を図るとともに、新たなごみ処理施設の整備や運営の効率化を計画的に進めてまいります。

地球温暖化対策につきましては、自然環境、生活環境、景観等の保全に十分な配慮がなされ、地域住民の皆様や関係機関の理解が得られた再生可能エネルギー発電設備の導入を促進してまいります。なかでも、二酸化炭素の排出量が少なく、気象条件の影響を受けにくい地熱発電につきましては、本市の特性を生かした環境にやさしいベースロード電源として積極的に推進し、電力の安定供給とエネルギーの地産地消、地域経済の浮揚を図ってまいります。

市営住宅につきましては、入居者に良質な住環境を提供するため、「霧島市公営住宅等長寿命化計画」に基づき、外壁改修工事等を計画的に実施するとともに、新たに指定管理者制度を導入し、入居者に対するサービス向上と効率的な維持管理に努めてまいります。

土地区画整理事業につきましては、事業実施中の麓第一地区、浜之市地区及び隼人駅東地区において、それぞれの進捗状況に応じ、保留地処分、区画道路の整備や街区の整地、建物等の移転補償などの取組を計画的に進めてまいります。

下水道事業につきましては、公営企業として経営基盤の強化を図るとともに、老朽化施設の改築需要に適切に対応するため、施設全体の管理を最適化するストックマネジメント計画を策定します。さらに、国分・隼人地区においては、土地利用状況の変化や平成30年度に策定した経営戦略等を踏まえ、「霧島市雨水管理総合計画」と調整を図りながら、計画区域の見直しを行います。また、管渠整備については、引き続き、国分野口町や隼人町見次地区等における整備を進め、供用開始区域の拡大と水洗化率の向上に努めてまいります。

幹線道路の整備につきましては、市街地の渋滞解消や、各地域間、空港や高速道路等の交通拠点間の移動を円滑にするため、国道・県道の整備促進に努めるとともに、国道・県道に接続するバイパス道路の整備を推進し、道路ネットワークの構築を図ってまいります。

街路事業につきましては、歩行者の安全や円滑な交通を確保するため、引き続き、都市計画道路「新川北線」及び「日当山線」等の整備を進めるとともに、「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」の開催に向けて県が施工中の、第一工業大学前の都市計画道路「新町線」の整備に合わせた都市計画道路「山崎線」の整備を進めてまいります。

また、日常生活に密着している生活関連道路につきましては、各地区のまちづくり計画等を踏まえ、地域の実状に応じた維持補修に努めるとともに、橋梁の定期点検や維持補修、道路法面の安全対策など、防災や安全の確保に向けた取組を計画的に進めてまいります。

地域情報化の推進につきましては、中山間地域等における情報格差解消を図るための「霧島市光ブロードバンド整備計画」に基づき、超高速ブロードバンド未整備地区における光ファイバ網の整備を年次的に進めており、現在、第1期事業として、横川・牧園・霧島地区において、本年4月からの光ブロードバンドサービス提供開始に向けた整備を行っているところです。さらに、本年1月には、第2期事業計画の実施事業者を選定したところであり、令和3年4月のサービス提供開始に向けて、引き続き、計画的に取組を進めてまいります。

水道事業につきましては、公営企業として経済性と公共性の両立を図り、独立採算制の原則を堅持しながら、管路の新設や老朽管の布設替え、配水池等の施設整備を計画的に実施し、安全で良質な水の安定供給に努めます。あわせて、災害や事故に強い強靭な水道システムを確立するため、国分台明寺配水区の基幹管路を耐震管に更新するなど、水道施設の機能向上や耐震化対策を進めるとともに、老朽化が進む施設や資産の管理を強化し、持続可能な水道事業を目指してまいります。

また、手狭になっている現在の事務所につきましては、隼人市民サービスセンターの空きスペースを活用することで必要な執務室等のスペースが確保できることから、本年7月末を目途に移転し、業務が開始できるよう準備を進めてまいります。

都市計画につきましては、新たに策定する「霧島市都市計画マスタープラン」に基づき、地域の特性を踏まえた秩序あるまちづくりを推進するため、土地利用の規制・誘導や用途地域の見直し作業を進めてまいります。

防災対策につきましては、近年、全国各地で台風や局地的豪雨による大規模な災害が発生している状況等を踏まえ、国土強靭化基本法に基づく国土強靭化地域計画を策定し、行政機関だけにとどまらず、広範囲な分野の関係者と連携・協力しながら、災害に強いまちづくりを総合的かつ計画的に進めてまいります。

また、携帯電話等で容易にダウンロードできる新たな防災アプリを導入し、障がい者や外国人等を含む市民が、多言語音声や文字により迅速かつ正確に防災情報を取得できる環境整備を図ってまいります。

さらに、国土交通省九州地方整備局との災害時応援協定に基づく浸水被害抑制のための措置や、避難行動要支援者への避難支援体制の充実などにより、様々な災害における不測の事態に備えた安全対策を推進してまいります。

総合治水対策につきましては、国分・隼人地区における豪雨時の浸水・冠水被害の軽減を図るため、「霧島市雨水管理総合計画」に基づく雨水対策の実施に向け、公共下水道事業による補助事業採択に取り組んでまいります。

消防につきましては、消防力の充実強化を図るため、救助工作車及び消防団車両5台の更新を行うほか、女性消防吏員の活躍推進を考慮した北署庁舎の改修工事設計業務委託、消防水利整備事業として耐震性貯水槽4か所の整備を進めてまいります。

また、聴覚・言語機能障がい者など、通話による119番通報が困難な方がアプリを通じて円滑に通報できるシステム「Net119緊急通報システム」の導入を進めてまいります。

交通安全対策につきましては、県や警察、交通安全関係団体等と緊密に連携しながら市民の交通安全意識の高揚を図るとともに、効果的な道路環境の整備により、交通事故の防止に努めてまいります。

防犯対策につきましては、引き続き、防犯パトロール隊の活動の活性化や、防犯灯などの整備充実を図ることにより、安心安全なまちづくりの推進に努めてまいります。

健全な消費生活の推進につきましては、市民の皆様が安全・安心な消費生活を送ることができるよう、引き続き、県消費生活センター等の関係機関と連携を深めながら、消費者被害の未然防止と救済に努めてまいります。

「誰もが支えあいながら生き生きと暮らせるまちづくり」

健康づくりの推進につきましては、「健康きりしま21(第3次)」の基本理念に基づき、個人や地域ぐるみでの健康づくりを支援するとともに、特定健診や各種がん検診の受診率向上を図り、生活習慣病の予防や疾病の早期発見・早期治療、特定保健指導等による重症化予防に努めてまいります。

また、医療体制の充実につきましては、霧島市立医師会医療センターにおける新たな施設整備に向けて、現在実施しております基本設計を本年9月までに完了し、その後、実施設計に着手する予定としており、引き続き、計画的に整備を進めてまいります。

子育て環境の充実につきましては、現行の産後1か月での産婦健診費用の一部助成に加え、新たに産後2週間での健診費用助成も行うことにより、産後うつや新生児への虐待等のリスクがある産婦を早期に把握し、産後ケア事業等への支援につなげるなど、産後の早期支援の更なる充実を図ってまいります。

親子で楽しめる全天候型「こども館」の設置につきましては、現在進めております設計業務委託の設計内容に基づき、国分ハイテク展望台の改修工事に着手してまいります。また、昨年実施した同施設における遊具等設置に係るプラン等を収集するためのサウンディング調査の提案結果をもとに、現在、市ホームページにおいて、市民の皆様から遊具等に関するご意見等を収集しているところであり、今後、頂いたご意見等を参考にしながら、遊具調達等の作業を進めてまいります。

なお、子ども・子育て支援法に基づく基本指針や児童福祉法の改正等を受け、関連施策を反映させた「第2期霧島市子ども・子育て支援事業計画」を取りまとめたところであり、同計画の達成に向けて、関係者の皆様のご協力をいただきながら、より一層の子ども・子育て環境の充実に取り組んでまいります。

地域包括ケアの推進及び障がい者等の支援につきましては、「第8期霧島市高齢者福祉計画及び第7期霧島市介護保険事業計画」、「第2次霧島市障がい者計画及び第5期霧島市障害福祉計画並びに第1期霧島市障がい児福祉計画」に基づき、各種取組を推進してまいります。

生活困窮者への支援につきましては、依然として増加傾向にある生活保護の受給状況を踏まえ、生活保護受給者に対して、必要かつ適切な支援を行うとともに、生活保護就労支援員による自立・就労に向けた支援を実施し、被保護者の自立の促進に取り組んでまいります。また、令和3年1月から実施する被保護者健康管理支援事業において、医療と生活の両面から被保護者の健康管理に対する支援を行い、早期受診・重症化予防に努めてまいります。

国民健康保険事業につきましては、本市の国民健康保険財政の収支が、平成30年度に黒字に転じたことから、令和元年度において、平成30年度の決算剰余金を国民健康保険基金に積み立てることとしています。このような中、本市の国民健康保険税率決定の参考となる県が示す令和2年度国民健康保険標準保険税率等が令和元年度と比較して大きく上昇したことから、被保険者、特に中間所得者層の負担軽減を図るため、基金から2億円の繰入れを行うこととしています。このことにより、令和2年度の国民健康保険税率を、令和元年度と同率に据置くことができたところです。

また、後期高齢者医療につきましては、国の社会保障施策である「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施」に係る事業として、医療専門職による地域の健康課題の把握・分析や、支援が必要な方の個別訪問指導、健康教育・健康相談を実施し、フレイル対策や疾病予防・重症化予防に取り組んでまいります。

「社会を生き抜く力と生涯を通じて学びあう力を育むまちづくり」

学校教育の充実につきましては、家庭や地域と一体となった「あいさつ運動」、自己肯定感を高めるための「ほめる運動」を推進するとともに、キャリア教育として「中学生の挑戦!『霧島しごと維新』」などの事業に取り組み、子どもたちの志と夢を育む教育を進めてまいります。

また、確かな学力の定着に向け、学校評価と連動した実効性のある「学力向上プラン」を推進するとともに、教員の資質向上や家庭学習と連動した授業づくりに取り組み、児童生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に努めてまいります。

教職員の働き方改革につきましては、小中学校への校務支援システムの導入により事務の負担軽減を図るなど、業務改善を推進し、教職員一人ひとりが、本来担うべき業務に専念し、児童生徒と十分に向き合うことができる環境の整備を進めてまいります。

教育環境の整備につきましては、これまで進めてまいりました全小中学校の普通教室等への空調設備の設置が今年度末で完了する予定であり、引き続き、安全で快適な学習環境の整備に向けて、日当山中学校昇降口棟改築や隼人中学校における大規模改造事業を進めてまいります。

また、安全安心な学校給食を提供するため、年次計画に基づき、隼人学校給食センターの自動食器洗浄機と食器消毒保管庫の更新を行います。

国分中央高等学校につきましては、園芸工学科の必修科目である「食品製造」について、実体験を踏まえた学習ができるよう、食品加工室の改修と必要備品の整備を行い、地元の農産物を使った商品開発やブランド化・6次産業化などの地域振興にもつながる教育環境の充実と同学科の魅力向上を図ってまいります。

社会教育の充実につきましては、本市の豊かな自然や歴史、地域に伝わる文化や伝統行事などの地域資源を生かし、発達段階に応じた様々な体験活動を実施するなど、心と体のバランスがとれた「きりしまっ子」の育成に努めてまいります。

また、幅広い地域住民等の参画により、地域と学校が連携・協働しながら、地域全体で子どもの成長を支え、活力ある地域づくりを目指す「地域学校協働活動」を推進し、子どもたちの教育環境の充実と地域の教育力向上を図ってまいります。

さらに、公民館講座などの成人教育を通じて、多様な学習機会の提供を図るとともに、学習の成果を社会に還元していく体制づくりを推進してまいります。

文化財の保存・継承や活用につきましては、市民が文化財を身近な存在として感じられるよう、文化財に触れる史跡めぐりや体験学習・歴史講座などを積極的に開催し、郷土愛の醸成と文化財愛護についての意識向上を図ってまいります。

また、国の史跡指定から100年を迎える大隅国分寺跡について、石塔の風化が著しいことから、その修復を行ってまいります。

芸術文化活動の推進につきましては、霧島の未来を担う子どもたちに優れた舞台芸術を鑑賞する機会を提供するための児童生徒芸術鑑賞会事業や、本市の芸術文化活動を牽引するイベントや団体を財政的に支援する文化芸術支援事業を継続して実施し、更なる芸術文化の振興を図ってまいります。

スポーツの推進につきましては、日本陸上競技連盟から第3種公認陸上競技場に認定されている国分運動公園陸上競技場について、公認の継続に必要な改修工事の設計を行うほか、全国大会や九州大会などに出場する選手への支援を拡充し、市民の競技力向上を図ってまいります。

なお、4月28日には、東京2020オリンピック聖火リレーが、隼人塚史跡公園から霧島市役所までの約3キロメートルの区間で実施されます。オリンピック・パラリンピックの開催機運の醸成に向けて、沿道の事業所や市民の皆様のご協力をいただきながら、万全の態勢で準備を進めてまいります。

国民体育大会の推進につきましては、昭和47年以来、48年ぶり2度目となる第75回国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」と、本県初開催の第20回全国障害者スポーツ大会「燃ゆる感動かごしま大会」が、いよいよ10月に開催されます。

現在、昨年実施したハンドボール、サッカー、銃剣道競技のリハーサル大会において確認された課題等の検証や各競技団体との綿密な調整を進めるとともに、全国から訪れる選手・監督、観覧者の皆様をおもてなしの心でお迎えするためのボランティア講習会の開催などに取り組んでいるところです。

今後も引き続き、市民総参加のもと、素晴らしいスポーツの祭典として皆様の心に残る大会となるよう、競技団体や関係機関等と連携を図りながら、万全の態勢で準備を進めてまいります。

「市民とつくる協働と連携のまちづくり」

道義高揚の推進につきましては、職員の人事交流や商工団体・市民相互の交流事業などを通じ、官民一体となって交流を深めてまいりました岐阜県海津市との姉妹都市盟約が、本年10月をもって締結50周年を迎えます。そのため、令和2年度においては、市民参加型の記念事業として、鹿児島空港と中部国際空港を結ぶ路線を持つ航空会社と提携し、姉妹都市交流のラッピングを施した飛行機を運行する「アニバーサリー号就航事業」を行うほか、記念交流事業などを実施し、今後の更なる交流の活性化を図ってまいります。

市民活動の支援と協働の推進につきましては、地区自治公民館・自治会に対し、地域振興補助事業、地区活性化支援事業等による支援を行い、地域活動の活性化を図ってまいります。また、引き続き、霧島市自治公民館連絡協議会や市内企業・不動産関係団体などと連携を図りながら自治会加入促進に取り組んでまいります。

国際交流の推進につきましては、国際交流員を活用し、地域の国際化に向けた取組を推進するとともに、霧島市国際交流協会と連携を図りながら、青少年海外派遣事業の更なる充実を図り、国際的な視野を持つ人材の育成や、交流の輪の拡大に努めてまいります。

なお、昨年12月に中国湖北省武漢市で新型コロナウィルスに関連した肺炎の発生が報告されて以降、中国国内をはじめ、我が国を含む世界各地から感染の報告が続いています。このような中、本市では、交流都市である上海市嘉定区からの要請に基づき、緊急支援措置として本市が備蓄しているマスク24万枚を提供することとしました。現在、嘉定区人民政府との調整等を進めており、準備が整い次第、発送します。

人権の尊重と男女共同参画の推進につきましては、「霧島市じんけんフェスタ」をはじめとする人権啓発に関する各種行事の実施など、様々な人権課題の解消に向けた施策を推進します。また、「第2次霧島市男女共同参画計画」に基づき、関係機関と連携を図りながら、女性の活躍推進に関する施策を総合的に推進するとともに、引き続き、男女共同参画に関するセミナーの実施などにより、広報・啓発に努めてまいります。

中山間地域の活性化につきましては、溝辺町竹子地区に新たに地域おこし協力隊の導入を進めるほか、引き続き、移住定住促進事業による人口増対策に積極的に取り組み、本市の一体的な発展に向けて、地域の特性を生かした活性化を図ってまいります。

霧島ジオパークの推進につきましては、昨年度、日本ジオパークに再認定された際の指摘事項について、霧島ジオパーク推進連絡協議会の会員やジオガイド、地域の方々など関係者の皆様と協議しながら、改善を進めてまいります。

地方創生の推進につきましては、昨年12月に国が策定した「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」等を踏まえて新たに策定する「第2期霧島市ふるさと創生総合戦略」に基づき、本市における地方創生の充実・強化を図るため、引き続き、人口減少や経済規模縮小などの課題克服に向けた取組を進めてまいります。

「信頼される行政経営によるまちづくり」

効率的で適応力に富んだ行政運営につきましては、複数の悩みを抱えた市民の相談等に対応する包括的相談支援体制を構築するため、4月から国分シビックセンター行政庁舎別館1階に(仮称)こども・くらし相談センターを設置します。これまで、児童、高齢、障害、生活困窮など、部門ごとに相談窓口が異なっていましたが、今回の組織改正により、子育て支援課で所管してきた児童虐待、ドメスティックバイオレンス、子育てに関する相談支援機能のほか、学校教育課でスクールソーシャルワーカーが担ってきた、いじめや不登校などに関する相談支援機能、さらに、生活福祉課で所管してきた生活困窮者自立支援制度の機能等を同センターに集約するとともに、新たに配偶者暴力相談支援センターの機能を付加します。同センターについては、七つの市町が合併して誕生した本市において「子育て支援」「児童虐待対策」「いじめ・不登校対策」「発達障がい対策」「高齢者対策」「障がい者対策」「生活困窮対策」といった七つの機能を有する窓口となることから、愛称を「にじいろ」と名付け、包括的相談支援体制の要となるよう効果的・効率的な運営に努めてまいります。

税収確保対策につきましては、口座振替やコンビニエンスストアでの納付に加え、昨年12月から新たな納付方法として、スマートフォンを利用した「ペイビー」を導入し、納税者が納付しやすい環境づくりを進めているところです。あわせて、差押えなどの滞納処分を更に徹底し、滞納繰越額の縮減を図るとともに、税負担の公平性の確保に努めてまいります。

公共施設マネジメントの推進につきましては、「霧島市公共施設管理計画」に基づき策定を進めております、令和2年度を計画初年度とする「第1期実施計画後期」に沿って、引き続き、施設保有量の適正化や長寿命化等の取組を着実に進めてまいります。

牧園総合支所新庁舎建設につきましては、執務室のほかに図書館や多目的室等を有する、複合的な機能を持つ施設の整備に向けて、令和3年2月末までを工期とする本体工事に着手したところです。工事期間中は、近隣住民の皆様等に何かとご迷惑をお掛けいたしますが、ご理解・ご協力を賜りますようよろしくお願いいたします。

お問い合わせ

企画部企画政策課企画政策グループ

〒899-4394 鹿児島県霧島市国分中央3-45-1

電話番号:0995-64-0914

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